【授業案】植物の遺伝子組み換え-アグロバクテリウム法-

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

目的

植物の遺伝子組み換え技術としてアグロバクテリウム法の実験手法から、今までのDNAに関する知識の総括を行う。また、この技術がどこまでがよくて、どこまでが危険であるのかをしっかりとそれぞれで考える必要があるだろう。

復習

大腸菌の遺伝子組み換え技術に関連した知識(プラスミド、制限酵素、DNAリガーゼ、抗生物質)

発題

遺伝子組み換えダイズなどが販売されており、その食品への評価は真っ二つに分かれている。遺伝子組み換えを推進しているモンサント社などは、人工的な「品種改良」として安全だとし、グリーンコープなどは、未知の影響(人体、生態系に対して)を生じる可能性があり危険だとしている。そもそも、この技術はどのようなものなのだろうか。

展開

アグロバクテリウムとは、植物細胞に自身のDNAをランダムの位置に挿入し、自分が生きてくために必要な養分を作らせる細菌である。この細菌の性質を利用して、植物の遺伝子組み換えが行われる。今回の遺伝子組み換えでは、ある企業が自社の農薬に対する耐性を得ることができる遺伝子をあるダイズに導入しようとしているとしよう。次の手順をペーパー上で確認しよう。

※カナマイシン:抗生物質の一種である。原核生物のリボソームの働きを阻害するため、「カナマイシン耐性遺伝子」がない原核生物は、この物質の存在下では生育できない。植物細胞には、カナマイシンが葉緑体の機能に異常をもたらすことが知られており、原核生物同様にカナマイシン存在下では生育することができない。

  1. 予め必要なDNA塩基配列(プロモーター、導入したい遺伝子「農薬耐性」、カナマイシン耐性遺伝子)を大腸菌などから抽出したプラスミドに制限酵素とDNAリガーゼを用いて挿入し、ベクターを作成する。
  2. 作成したベクターを、アグロバクテリアを含む培養液に加え、培養する。その後、カナマイシンを含む培地で培養する。
  3. ダイズを種子から無菌状態で育てる。生育した後、葉の断片を数十枚用意し、先ほど作成したアグロバクテリウムに感染させ、カナマイシンを含む培養液で培養する。
  4. 細胞分裂が進み、細胞が再び分化(根や茎)してきたものを選び出し、生育させる。

次の問を考えよう。

  1. アグロバクテリウムをカナマイシンを含む培地で培養する理由を述べよ。
  2. アグロバクテリウムに感染させた葉をカナマイシンを含む培地で培養する理由を述べよ。
  3. このように遺伝子組み換え植物を作ることに、どのようなメリット・デメリットがあるか。

共有

問1、2については、遺伝子が確かに導入されたかを調べる手段であり、遺伝子組み換え技術の基礎的な技法である。

問3については、様々な意見が出れば良い。

参考

タバコ形質転換 http://www1.gifu-u.ac.jp/~yyy/pdf/09Photosynthesis_yam_tobaccoTFORM.pdf

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*