ちょっとディープな生物の世界

なぜヒトにはしっぽが無いの?

尻尾を使ってバランスをとる必要性がないから

チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オラウータン、テナガザルとヒトを含めてヒト上科と呼ばれるグループにまとめられます。ヒト上科の霊長類は尻尾がありません。尻尾の痕跡である尾てい骨はどの霊長類にも存在します。

そもそも尻尾の役割は、高速で移動する際のバランスとりです。確かに、尻尾を持つサルはとても機敏な動きをしています。しかし、先ほど挙げた霊長類は体が大きく、比較的ゆっくりとした動きで枝から枝へと移っていきます(ヒトに比べれば遥かに速い動きをしますが)。そのため、尻尾を持つ必要性はないと考えられ提案す。

テナガザルは俊敏ですが、体全体を振り子としてバランスをとっているため、やはり尻尾は必要ありません。

まとめ

必要のないものが退化していくという現象は自然界ではよく起こります。真っ暗な洞窟で過ごしていた魚の目が退化するのは良い例です。ヒト上科においても使用されなくなった尻尾は、突然変異を重ねるうちに無くなっていったと考えられます。

なお、ヒト上科の他にもニホンザルやロリスも尻尾がありません。ニホンザルは世界で一番寒い所に生息するサルなので、寒冷地適応のために尻尾が短くなったと考えられています。ロリスは、とてもゆっくり動くため、やはり尻尾でバランスをとるような必要がなく、退化していったと推測されています。

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