ちょっとディープな生物の世界

系統樹の根っこは網の目?

3つの主要なドメイン

系統の主要のドメイン(細菌、古細菌、真核生物)の配置は、現在ところ多くの研究者の間で意見は一致している。しかし、近年になって、枝分かれし始めた初期の間に置いては、綺麗な枝ではなく、網目状だったのではないかとの見解も現れ始めた。

ドメイン

系統間を移動するDNA

DNAを調べてみると、古細菌や真核生物のDNAの中に、明らかに細菌性とわかるDNAが発見された。もし、分岐が起こったのであれば、それぞれの系統は全く別ものになるように進化したはずである。系統樹の枝をどのように横切って移動してきたのだろうか。

カナダのダルフージー大学のW.Ford Doolittleは、「主要な3つの系統(最近、古細菌、真核生物)が進化する以前も以後も、生命の初期の歴史を通じて、これら3つの系統の間ではDNAの自由な交換が行われていた」と主張する。つまり、DNAは1つの系統で次の世代へ伝えられるだけではなく、全く別の系統へも伝えられるという。

Doolittleは原始生命体において遺伝子の水平伝搬はきわめて頻繁に起こったと考え、そもそも系統3つが整然とした形で分かれたと考えることに無理があるとしている。原始生命たちは自由奔放にDNAを交換し、遺伝子が奇妙な状態で保存され、今日に至っているらしいということである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です