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【化学】物質の構成と分離法

混合物と純物質とは?

混合物とは2つ以上の物質が混ざり合ったものを指します。例えば、空気は窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンなどの混合物です。

一方、純物質とは1つの物質のみで構成されたものを指します。例えば、蒸留水は水のみで構成された物質です。

純物質では融点・沸点・密度が決まっており、固有の性質を示します。混合物の場合には一定の沸点や融点を示さないことが多いです。海水の場合には、100℃ほどで沸騰しますが、過熱を続けるとさらに温度が上昇します。

純物質か混合物かどうかは、融点や沸点を調べることで見分けることができます。

不均一混合物と均一混合物

混合物の中には、岩石(花崗岩など)のように構成物質が均一に分布していない物質があります。これを不均一混合物と呼びます。

一方、海水のように、どの部分をとっても組成に違いのない混合物も存在します。これを均一混合物と呼びます。

物質の分離方法

混合物を分けて純物質を取り出すことを分離と呼びます。分離した物質からさらに純度を高めることを生成と呼びます。

分離にはろ過、蒸留、分留、再結晶、抽出、昇華、クロマトグラフィーなどがあります。

ろ過

ろ紙などを用いて、固体の混合物と液体を分ける方法をろ過と呼びます。ろ紙の目よりも小さな粒子は分離することはできません。また、アスピレーターなどを用いて、吸引しながらろ過する方法を吸引ろ過と呼びます。

蒸留

塩化ナトリウム水溶液を沸騰させて、蒸気を再度冷やしてやると、蒸留水を得ることができます。このように、固体が溶解した液体を沸騰させ、液体成分のみを分離する方法を蒸留と呼びます。

リービッヒ冷却器を使う方法が一般的です。リービッヒ冷却器を通す冷却水は上から下に通します。逆にすると冷却器に水がたまり、循環効率が悪くなります。

分留

2種類以上の液体の混合物の沸点の違いを利用して、分離する方法を分留と呼びます。石油の成分分離でよく利用されます。

再結晶

例えば、少量の塩化ナトリウムが混ざった硝酸カリウムの飽和水溶液があった場合、これを徐々に冷却していくと硝酸カリウムのみの結晶が得られます。これを再結晶と呼びます。塩化ナトリウムの溶解度は硝酸カリウムよりも大きいため、塩化ナトリウムは結晶としては析出しません。

抽出

固体または液体の混合物に、その中に含まれる純物質のみを溶かす液体を加えて混ぜて、ある成分のみを取り出す方法を抽出と呼びます。

例えば、臭素水にベンゼンを加えると、臭素は水よりもベンゼンに溶けるため、ベンゼンの方へと移っていきます。また、クロロフィルが溶けた水からクロロフィルを分離する際にも、石油ベンジンを加えて混ざることで、抽出することができます。

昇華

固体から液体を経ずに気体になることを昇華と呼びます。この性質を利用し、ヨウ素、ナフタレンなどの物質を分離することができます。

クロマトグラフィー

ろ紙に混合物の溶液をつけて、展開液に浸すと、展開液が毛細管現象でろ紙を登ってきます。この際に、混合物の成分が分離されていきます。これをクロマトグラフィーと呼びます。展開液に対する溶解度が大きい物質ほど、上部まで移動していきます。

ろ紙の代わりに、シリカゲルなどの吸着剤がついた薄層プレートを使用することもあります。これを薄層クロマトグラフィーと呼びます。

また、シリカゲルなどをガラス管につめ、上部から試料と展開液を流し落とす方法もあります。これをカラムクロマトグラフィーと呼びます。

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