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【地学】地球の内部構造:マントルと核について

地震波の種類

地震波にはP波、S波、表面波の3種があります。

P波とは?

P波は縦波で、速度は5.0~6.0km/sです。岩石の密度の変化が波として、波の進行方向に伝わります。

S波とは?

S波は横波で、速度は3.0~3.5km/sです。岩石が波の進行方向に垂直に振動して伝わります。弾性のない液体や気体の中では伝わりません。

表面波とは?

表面波は地表を伝わる波です。地表が上下方向に楕円を描くように振動するレイリー波と、水平面で進行方向と垂直に振動するラブ波があります。

地震波の進み方

地殻とマントルの境界では、波は反射屈折を起こします。入射する角度を入射角、反射する角度を反射角、屈折した角度を屈折角と呼びます。

マントルと核

核の外核ではS波が伝わらないことが測定からわかり、外核は液体であることがわかりました。外核に入った波が屈折するため、波が波が消失する領域が存在します。この領域のことをシャドーゾーンと呼びます。

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また、外核とマントルの境界線は核‐マントル境界面と呼ばれます。この境界面でS波が消滅します。

地球内部の性質

地球内部では、深さに応じて地震波の速度、重力、密度が不連続に変化します。地震波の速度は、地下70km~250kmにわたって速度が小さくなる部分があります。これを低速度層と呼びます。これより上部の固い層をリソスフェア(プレート)、これ以下(マントル上部)の柔らかい層をアセノスフェアと呼びます。

地震トモグラフィーとは?

地震波速度は、高温で柔らかい部分では小さく、低温で固い部分では大きいとの性質を持っています。地震波の到着が遅れた地点から、地球内部での高温で柔らかい部分の位置や大きさを予想することができます。この技術を用いて、地球内部の物質の状態を示したものを地震波トモグラフィーと呼びます。

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地震波トモグラフィーでは、低温部(コールドプルーム)や、高温部(ホットプルーム)の分布がわかります。

地殻熱流量とは?

地球内部から地表に向かう熱の量を地殻熱流量と呼びます。熱流量はプレートの沈み込みが活発な火山地帯や中央海嶺付近で大きいです。一方、長期間安定している古い近くでは熱量は小さいです。

熱流量は地下増温率と熱伝導の積で求めることができます。深さZ1mの地温をT1℃、深さZ2mの地温をT2℃とし、熱伝導率をk〔W/m・K〕とすると、地殻熱流量Qは次の式の通りになります。

Q = k (T2 – T1) / (Z2 – Z1)

地表では、太陽からの光エネルギーによって温められているため、地殻熱流量を即知恵することができません。そのため、それよりも深い地点で地温を測ります。100mにつき3℃地温は高くなります。

なぜ地球内部は熱を保っているの?

地球の内部には、地球誕生時に閉じ込められた熱があります。また、ウランやトリウムなどの放射性同位体の崩壊が地球内部で起こっており、地球の熱源となっています。

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