ちょっとディープな生物の世界

なぜニジマスを海水で育てると巨大化して「トラウトサーモン」になる?

海水で育てると成長ホルモンが分泌されるから

https://en.wikipedia.org/

ニジマスは淡水魚ですが、海水で育てると巨大化することが知られています。海面養殖によって育てられたニジマスをトラウトサーモンと呼んでいます。

トラウトサーモンとは商品名であり、種名ではありません。回転ずしなどで安価でサーモンが食べられるのは、ニジマスの巨大化養殖を行っているためです。

ではなぜ海水で育てると巨大化するのでしょうか。仕組みは塩細胞にあります。魚の塩分濃度の調節はエラにある塩細胞によって行われます。淡水魚であるニジマスを海水に入れると、塩細胞のイオンチャネルも活発に活動します。塩細胞の活性化には成長ホルモンが使われます。つまり、塩細胞を活性化しようとするほど、成長ホルモンが分泌され、体も大きくなってしまうのです。

ちなみにマスとサケの違い

名前に「マス」・「サケ」とつく魚はサケ科に属しています。サケ、ベニザケ、ギンザケやカラフトマス、ニジマス、サクラマス、マスノスケなどがいます。

本来、マスは海に降りないサケ属の魚、サケは一旦海に降りてまた戻ってくる魚を指してしました。しかし、命名当時は生態などがよくわかっておらず、海に降りて生活する「サクラマス」にも「マス」と付けるなど、混乱を招く結果となってしまいました。本来ならば「サクラサケ」が正解です。

そのため、現在ではマスとサケの違いは殆どない(意味をなさない)と言って良い状況です。

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