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グルコースのホモ多糖の種類とその役割まとめ

ホモ多糖とは

「ホモ」とは「同じ」という意味です。「グルコースのホモ多糖」とは、グルコースのみで構成された多糖のことを指します。

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グルコースのホモ多糖にはセルロース、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲンの4種類があります。セルロースは植物の体を作る糖のため「構造多糖」と呼ばれ、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲンはエネルギー源として利用されるため「貯蔵多糖」と呼ばれます。

セルロース

グルコースが直鎖状に結合した多糖です。植物の細胞壁に使われており、強度を持っています。地球上に最も多く存在する多糖として知られています。

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アミロース

デンプンの主成分です。グルコース250~300個が直鎖上に結合したものをアミロース、グルコース1000個が分枝して結合したものをアミロペクチンと呼びます。デンプンはアミロースとアミロペクチンの混合物です。生体内では、アミロースを分解してグルコースを取り出し、エネルギー源として利用しています。

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アミロペクチン

デンプンの主成分です。アミロースとは違い、枝分かれしていることが特徴です。同様にエネルギー源として利用されます。

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グリコーゲン

肝臓内でエネルギー源を貯蔵する際に合成されます。アミロペクチンよりもさらに枝分かれしているのが特徴です。グリコーゲンは肝臓の重量に対して約10%ほど存在しています。肝臓には血糖値調節の役割があり、このグリコーゲンを分解してグルコースを供給しています。アミロペクチンよりも枝分かれが多いため、グルコースへの分解が速いです。

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結合の違い

それぞれの物質はグルコース同士の結合の仕方の違いによって生じます。

  • セルロース:β-1,4結合
  • アミロース:α-1,4結合
  • アミロペクチン:α-1,4結合とα-1,6結合
  • グリコーゲン:α-1,4結合と8~14残基ごとにα-1,6結合

α結合とβ結合の違い

グルコースにはα-グルコースとβグルコースがあります。これは一番右端のOHとHの向きの違いによるものです。

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グルコースはα同士、β同士で結合して鎖状に延長していきます。α-グルコース同士の結合をα結合、β-グルコース同士の結合をβ結合と呼びます。なお、α結合にはいくつか種類があり、1番目の炭素と4番目の炭素の部位が結合するα-1,4結合や、1番目と6番目の炭素がの部位が結合するα-1,6結合などがあります。これにより分枝が発生します。β結合もα同様に、β-グルコース同士で結合していきます。

まとめ

グルコースという単一の物質からでも、結合の仕方によって4種類の多糖ができます。

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