ちょっとディープな生物の世界

中間径フィラメントの構造・役割

中間径フィラメントとは

中間径フィラメントは細胞骨格の1つである。引っ張られる力に強く、そのような力から細胞を守る働きを持っている。3種類(微小管、アクチンフィラメント、中間径フィラメント)の細胞骨格繊維のうち、最も耐久力を持つ。

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名前の由来は、細いアクチンフィラメントと、太いミオシンフィラメントの中間の太さだったことにちなんでいる。

中間径フィラメントは殆ど全ての動物細胞の細胞質に存在している。核の周囲から細胞膜まで網目状に広がっている。デスモソームなどの細胞接着に関わるたんぱく質の部位で細胞膜に結合する。

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核内にも中間径フィラメントは存在し、核膜を裏打ちして網目構造(核ラミナ)を形成し、核膜の強度を保っている。

中間径フィラメントの構造

中間径フィラメントは長いひもをたくさん寄り合わせた構造をしている。1本だけの単量体がベースとなり、より合わさって二量体となる。さらに二量体が重なり、四量体を作る。四量体同士が端で連結し、8個の四量体がよじれて1本のロープ状のフィラメントを形成する。

https://micro.magnet.fsu.edu/

中間径フィラメントは細胞に強度を与える

中間径フィラメントは外力にさらされ続ける細胞において特に発達している。神経細胞などの細長い軸索には多数存在している。また、筋細胞、皮膚の上皮細胞にも多い。

細胞質にある中間径フィラメントは4種類あり、上皮細胞のケラチンフィラメント、結合組織のビメンチン類縁フィラメント、神経細胞のニューロフィラメント、動物細胞核膜にある核ラミンである。

最も多様性があるのはケラチンフィラメントである。上皮細胞のケラチンフィラメントや、毛髪、爪にもケラチンがあり、いずれもフィラメントになっている。

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ケラチンフィラメントが欠損する単純性先天性表皮水疱症では、皮膚の細胞間のつながりが著しく弱く、そっと押しただけで皮膚に水膨れができる。

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中間径フィラメントはそれ単体だけではなく、いくつかの付随たんぱく質によって架橋構造が形成され、さらに強度が安定化されている。特にプレクチンと呼ばれる付随たんぱく質は、中間径フィラメントをアクチンフィラメント、微小管、デスモソームなどに架橋させる。

核ラミナ

細胞質の中間径フィラメントはロープ状であるが、核膜の内面を裏打ちしている中間径フィラメントは網目構造である。この中間径フィラメントはラミンという種類の中間系フィラメントたんぱく質でできている。核ラミナの中間系フィラメントは細胞分裂ごとに、分解と再生を繰り返される。この分解と再生はタンパクキナーゼによって制御されている。

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