真核生物の遺伝子発現調節

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染色体の構造

DNAはヒストンと呼ばれるタンパク質に絡みついてヌクレオソームと呼ばれる構造をとっている。ヌクレオソームがさらにコンパクトにまとまり、クロマチン繊維となっており、クロマチン繊維がさらにまとまって染色体となる。転写に必要なタンパク質が結合できるのは、クロマチン繊維がゆるめられている部分のみである。下画像の上段2段目がヌクレオソーム、3段目がクロマチン繊維

染色体

調節遺伝子

DNAには調節領域と呼ばれる部分がある。調節領域は、ある遺伝子の転写を開始を促進したり抑制する領域である。調節領域に調節遺伝子によって作られた調節タンパク質が結合することによって、遺伝子発現(転写開始)の調節を行っている。調節遺伝子は調節領域とは全く異なる部分にあるので注意。さらに詳しい説明は「遺伝子発現の調節-転写複合体-」を参照すること。

遺伝子発現を促進する場合

調節遺伝子が発現し、調節タンパク質(促進)が合成される。調節タンパク質はプロモーター付近にある調節領域に結合し、基本転写因子RNAポリメラーゼの結合を促進する。下画像のregulatory sequence=調節領域、gene regula proteins=調節タンパク質。様々な調節タンパク質が遺伝子発現に関わっている。

遺伝子発現を抑制する場合

調節遺伝子が発現し、調節タンパク質(抑制)が合成される。調節タンパク質はプロモーター付近にある調節領域に結合し、基本転写因子とRNAポリメラーゼの結合を抑制する。

遺伝子発現の連鎖

調節遺伝子Aが調節遺伝子Bの発現を促し、調節遺伝子Bが調節遺伝子Cの発現を促し…というように調節遺伝子の発現は連鎖的に生じる。この結果、ある調節遺伝子の発現によって細胞の働きが大きく分化していく。

唾腺染色体のパフ

ハエや蚊の唾腺には、唾腺染色体と呼ばれる巨大な染色体が存在する。唾液染色体にはパフと呼ばれる膨らんだ箇所があり、そこではDNAのクロマチン繊維が解けて、盛んにmRNAが合成されている。このパフの位置は、発育状態に応じて変化する。このことから、DNAが一定の順序で発現していることがわかる。

ホルモンによる遺伝子発現調節

エクジステロイドは昆虫の脱皮や蛹化を促進するステロイドホルモンである。エクジステロイドが細胞内に入ると(脂質なので細胞膜を通過できる)、受容体と結合して複合体を形成して核に運ばれる。核ではDNAの調節領域に結合して、遺伝子発現を促進させる。

 

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