ちょっとディープな生物の世界

カエルの発生

受精卵から尾芽胚まで

カエルの発生は次の過程を経る。原腸胚からはウニよりも複雑な過程を辿る。

  1. 受精卵から4細胞期までは等割を行う。
  2. 8細胞期からは不等割を行う。
  3. 胞胚腔はウニとは異なり、動物極側にできる。
  4. 原腸胚初期には原腸が胞胚腔内に陥入し、原口が形成される。この時、内胚葉、中胚葉、外胚葉が分かれる。
  5. 原口は最終的に内胚葉によって埋められ、卵黄栓となる。
  6. 神経胚には、外胚葉から神経板が、中胚葉から脊索・側板が、内胚葉には腸管ができる。
  7. 神経胚が進むと、側板は体節・腎節・側板に分化する。
  8. 外胚葉からは神経堤細胞が移動し、末梢神経神経膠細胞(グリア細胞)が形成される。
  9. 尾芽胚になると、が発達する。また、肛門ができる。

動画で見ると次のような感じ。

上記動画の断面を説明した図は以下の通り。

photo by tmd.ac.jp
カエル
photo by tmd.ac.jp

原腸陥入

カエルの発生で最も理解しにくいのは原腸陥入ではないだろうか。ウニでは胞胚腔が残る形で原腸が形成されるが、カエルでは原腸が胞胚腔を埋め尽くす。

下の画像では胞胚腔が原腸によって追いやられているのがわかる。

胚葉の分化

まとめると、外胚葉、中胚葉、内胚葉は次のように文化する。

外胚葉

  • 表皮:皮膚、水晶体、角膜、嗅上皮、内耳
  • 神経管:脳、脊髄、網膜

中胚葉

  • 体節:骨格、骨格筋、皮膚の真皮
  • 腎節:腎臓、輸尿管
  • 側板:心臓、血管、平滑筋、腸間膜、結合組織

腸間膜は次の写真で見える透明~白い膜のこと。

photo by g-tak.gsn.ed.jp

腹膜(内蔵の周りを包んでいる膜)は下の画像の赤い膜のこと。

photo by haodf.com

内胚葉

  • 腸管:胃、腸、肝臓、膵臓、中耳、肺、気管、えら、膀胱

まとめ

だいたい次のようなカテゴリーで覚えると理解しやすい。

  • 外胚葉:神経・表皮
  • 中胚葉:筋肉・骨・腎臓
  • 内肺葉:消化器官・呼吸器官

4 COMMENTS

もんもん

はじめまして。
一つ気になったのですが、「4.原腸胚初期には原腸が胞胚腔内に貫入し、原口が形成される。この時、内胚葉、中胚葉、外胚葉が分かれる。」とありますが、「陥入」ではないでしょうか?
上記の「貫入」は地学で使う用語だったような気がしたもので。
ご確認お願いします。

返信する
管理人

ありがとうございました。誤字でした。訂正いたしました。
今後ともよろしくお願いいたします。

返信する

3に書いてある動物局側は、動物極ではないでしょうか?
私が間違えていたらすみません!

返信する
管理人

ご指摘ありがとうございました!訂正しました!

返信する

管理人 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です