バイオームの多様性と分布

植生の遷移

乾燥遷移

乾燥した地域(湿地ではない)では、植生は次のように変化し、成長する。この変化を乾燥遷移と呼ぶ。乾燥遷移では、裸地、地衣類・コケ植物、草原、低木林、陽樹林、混交林(陽樹と陰樹)、陰樹林と遷移していく。陰樹林まで到達した状態を極相と呼ぶ。

裸地

hadakachi

地衣類・コケ植物(ハナゴケ・スケゴケ)

chiirui
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草原(ススキ・イタドリ)

草原

低木林(ヌルデ、タニウツギ、ヤシャブシ)

低木林
http://www.fukuoka-edu.ac.jp/

陽樹林(コナラ、アカマツ、アカメガシワ)

陽樹林
http://www.shinrin-ringyou.com/

混交林:陽樹と陰樹が混ざり合った状態

遷移

http://d.hatena.ne.jp/

陰樹林(シイ、クスノキ、カシ、タブノキ)

陰樹
http://www.shinrin-ringyou.com/

先駆植物(パイオニア植物)

地衣類やコケ植物、ススキ、ヤシャブシなど、他の植物よりも初めに侵入する植物のことをパイオニア植物と呼ぶ。

パイオニア植物

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湿性遷移

湖や沼地での植生の変化を湿性遷移と呼ぶ。湖沼は泥がたまって湿原となり、さらに乾燥して草原となる。

湖沼

沼
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湿原

湿原
http://www.rinya.maff.go.jp/

草原

草原
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一次遷移・二次遷移

裸地など、岩石から始まる遷移を一次遷移と呼ぶ。

一次遷移

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一方、森林伐採や火山などによる森林破壊から始まる遷移を二次遷移と呼ぶ。二次遷移からの植生は土台があるので、進行が早い。雑木林や赤松林は二次遷移によって形成された場合が殆どである。二次遷移によって形成された森林を二次林と呼ぶ。

ギャップ更新

何らかの理由で木が枯死すると、そこに空いた空間が生じる。空いた空間では、幼木が成長し、新たな森林部分が生まれる。この現象をギャップ更新と呼ぶ。ギャップが小さいと陰樹の幼木が育ち、ギャップが十分大きいと陽樹がギャップを埋める。

草原・水辺の植生

草原

低温地域では森林が形成されずに草原となる。また、降水量が少ない地域でも樹木が多く育たず草原となる。樹木が多少混ざっていても草原と呼ぶ。

草原

水辺の植生

水生植物が生育できるのは、光補償点以上の光が届く所である。それ以上深くなると、十分な光が届かず生育できない。この深度を補償深度と呼ぶ。

生産層

水辺の植生で、補償深度よりも浅い所で光合成を行っている場所を生産層と呼ぶ。光合成速度は呼吸速度を上回っている。

Untitled Diagram (3)

生産構造

生産構造

植物のどの部分(先端から地表まで)で、どれだけ光合成が行われているかを生産構造と呼ぶ。広葉型イネ科型がある。

広葉型

植物の上部の葉が広く、光合成を上部で良く行う。

イネ科型

植物の下部の葉が広く、光合成を下部で良く行う。

層別刈取法

植物を高さごと刈り取り、葉とその他の重さを測定する。広葉型かイネ科型かが判別できる。

生産構造図

層別刈取法によって測定したデータを図にしたものを生産構造図と呼ぶ。。イネ科型は同化系の組織の重量が低い所に集中しているが、広葉型は高いところに集中している(下図右)。点線は相対照度を表している。相対照度とは、どれくらい光を浴びているかを示す値である。左が0(%)で中心が100(%)となっている。広葉型では上部に葉がたくさんあるため、下部では相対照度がほぼ0になっている。

陽生植物と陰生植物

陽生植物と陰生植物

光が多い所で生育する植物(陽生植物)と、日陰で生育する植物(陰生植物)とでは光合成速度に異なった特徴が見られる。

陽生植物

陽生植物は光飽和点、光補償点が高いという特徴を持つ。そのため、以下のような性質を持つ。

  1. 光飽和点が高いため、強い光の下ではその分だけ光合成速度も上昇する。
  2. 光補償点も高いため、弱い光の下(光補償点よりも暗い所)では、生育できない。
陽生植物

陰生植物

陰生植物は光飽和点、光補償点が低いという特徴を持つ。そのため、以下の性質を持つ。

  1. 光飽和点が低いため、成長が遅い。そのため、よく日の当たるところでは陽生植物に競争に負ける。
  2. 光補償点が低いため、弱い光の下でも光補償点を下回ることなく、生育できる。

陽樹と陰樹

陽生植物の樹木を陽樹と呼ぶ。一方、幼木の時に陰生植物の特徴を示す樹木を陰樹と呼ぶ。陰樹の中には、成木になると陽生植物のようになるものもある。

ようじゅ
陽樹:シラカバhttp://blog.goo.ne.jp/

アオキ
陰樹:アオキhttp://kawasakimidori.main.jp/

陽葉・陰葉

陽生植物の特徴を持つ葉を陽葉、陰生植物の特徴を持つ葉を陰葉と呼ぶ。陽葉は面積が小さく、厚い。陰葉は面積が大きく薄い。

Yangyeyinye

http://slowlifegarden.com/

1つの木に陽葉、陰葉が混在しているものもある(日が当たる葉は陽葉、日があたらない葉は陰葉になる)。

アカマツ
陽生植物アカマツの葉http://www10.showa-u.ac.jp/
ブナ
陰生植物ブナの葉http://had0.big.ous.ac.jp/

光合成速度

光合成速度

ある時間でどれくらいCOを吸収したかを示す値を光合成速度と呼ぶ。グラフは横軸に光の強さ、縦軸にCO2吸収量を示している。

光合成速度 http://bio-notesa2.tumblr.com/

見かけの光合成速度と光合成速度

見かけの光合成速度

植物は光合成によってCO2を吸収する一方で、自身が呼吸することによってCOを排出している。ある時間あたりのCO2排出量を呼吸速度と呼ぶ。そのため、測定できるCO吸収量は次のようになり、これを見かけの光合成速度と呼ぶ。

CO吸収量(見かけの光合成速度) = 光合成によるCO吸収量 - 呼吸によるCO排出量

光合成速度

光合成によるCO吸収量(光合成速度)を純粋に求める場合には、次の式のようになる。

光合成速度 = 見かけの光合成速度 + 呼吸速度

光飽和点と光補償点

光飽和点

光合成速度(CO吸収量)は光の強さが増すにつれ、大きくなる。しかし、ある一定の光の強さになると光合成速度は一定となる。この光の強さを光飽和点と呼ぶ。

光補償点

光合成速度と呼吸速度が同じになる光の強さを光補償点と呼ぶ。つまり、見かけ上COのやり取りが0になる。

光合成速度

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森林

森林

森林には様々な高さの樹木が生育しており、それらは高木層、亜高木層、低木層、草本層に分類することができる。これを階層構造と呼ぶ。階層によって生育する動物にも違いがある。

林冠

森林の表面を林冠と呼ぶ。高木層の植物によって特徴づけられる。

林床

森林の地表に近い部分を林床と呼ぶ。弱い光でも生きることができる植物が生育している。

森

バイオームの形成

植生

植生とはある領域に生育する植物全てのことを指す。樹木がたくさん生育している森林、草が中心の草原、植物がちらほら生育している荒原などに分類することができる。

森

優占種

その植生の中で大部分を占める植物のことを優占種と呼ぶ。

たんぽぽ

相観

植生を見て、外観がどのように見えるかを示したものを相観と呼ぶ。相観は優占種によって特徴づけられる。

杉

植生調査

区画法

植生を調査する方法。森林では10m四方の領域にどのような植物が生育しているかを調査する。草原の場合は1m四方である。

区画法

被度と頻度

被度は同種の植物が地表を覆っている割合である。被度階級を用いて表す。頻度は、複数の領域で調査した時、各植物が出現する領域の割合である。頻度階級を用いて表す。被度と頻度が大きい植物が優占種であると言える。

被度階級

http://www.muhiken.or.jp/

生物の多様性とバイオーム

バイオーム

バイオーム(生物群系)という言葉はMinecraftで有名になったが、その地域の特長ある植物・動物などの生物集団のことを指す。バイオームは植物によって特徴づけられる。

森林
森林のバイオーム

ツンドラ
ツンドラのバイオーム

砂漠
砂漠のバイオーム

浅瀬

浅瀬のバイオーム

外的環境は生物に多大な影響を与えており、それを環境要因と呼んでいる。また、生物が環境に対して影響を与えることもあり、それを環境形成作用と呼ぶ。

Untitled Diagram (1)

ラウンケルの生活形

生物は環境に適応するように自身の形態を変化させる。その形態を生活形と呼ぶ。ラウンケルは、植物の休眠芽の違いによって植物の生活形を分類した。例えば、凍結する地域では、休眠芽は地中にあり、凍結を防いでいる。このように環境によって、休眠芽の位置が最適なものとなっている。その種類には地上植物、地表植物、半地中植物、地中植物、水生植物、一年生植物がある。

地上植物

休眠芽は地上から離れたところにある。

ラウンケルの生活形

地表植物

休眠芽は地表近く(30cm以下)にある。

ラウンケルの生活形

半地中植物

休眠芽は地表に接している。

ラウンケルの生活形

地中植物

休眠芽は地表から離れた地中にある。

ラウンケルの生活形

一年生植物

休眠芽はなく、冬がくると種子で生存する。

ラウンケルの生活形