個体群

異種個体群の相互作用

異種個体群同士では、種間競争、被食と捕食の関係、共生、寄生、間接効果などの総合作用がある。

種間競争

異種間では、ニッチの類似するもの同士が資源確保のために争いが起こる。これを種間競争と呼ぶ。片方がその空間から排除されることもあり、それを競争的排除と呼ぶ。オーストラリア大陸を除いて有袋類が絶滅したのは、哺乳類との競争で排除されたためである。一方、片方が形質を転換させて共存を行う場合もある。アノールトカゲでは、複数種が住む場所を変えて共生している。

yuutai
有袋類と哺乳類http://www.i-younet.ne.jp/~masuyamaakio/kasetsu/animal.html

被食と捕食

捕食関係を食物連鎖と呼ぶ。捕食者が増加すれば被食者は減り、捕食者が減少すれば被食者は増加する。食物連鎖を個体数で表現するとピラミッド型になる。高次消費者ほど数が少ない。

共生

共生には相利共生片利共生の種類がある。どちらも利益を得ている場合を相利共生という。アリとアブラムシの関係が例に挙げられる。一方、片方しか利益のないもは片利共生と呼ばれる。コバンザメとサメの関係が例に挙げられる。

寄生

寄生者宿主の栄養分などを吸い取るような関係を寄生という。下はボットフライと呼ばれる寄生虫の動画。

間接効果

2種間で生じる相互作用は、2種以外にも影響を及ぼす場合がある。その影響を間接効果と呼ぶ。例として、ヒトデとイガイと海藻の関係が挙げられる。ヒトデはイガイを食べるため、ヒトデを除去するとイガイの個体数が増加する。イガイと海藻は競争関係にあるため、イガイの増加によって海藻は減少する。ヒトデと海藻は関係無いように見えて、イガイを間接的に挟んで関係していることがわかる。

個体群内の相互作用

個体群内の相互作用には、種内競争、縄張り、順位制&リーダー制、群れの形成、社会性などの種類がある。

種内競争

同種内で食べ物や住処を奪い合う競争である。

縄張り

個体群の中で、自分の勢力が及ぶ範囲を縄張りと呼ぶ。縄張りが大きすぎると、維持する労力が必要とされる。一方、小さすぎると利益を得られない。利益-労力の最も大きな値となるのが、適切な縄張りの大きさである。

順位制とリーダー制

個体間に優劣ができることを順位制と呼ぶ。また、順位の高いものが個体集団をリードする場合をリーダー制という。

群れ

個体同士が集まって集合することを群れという。餌を効率的に見つける、外敵から身を守る、繁殖し易いようにするなどの利益がある。群れが小さすぎると個体同士が争ってしまい、群れが大きすぎると群れの利益を得られない。周囲を警戒する時間-個体同士が争う時間の値が最も小さいのが、適当な群れの大きさである。

社会性

個体間で分業を果たすものを社会性と呼ぶ。前に紹介した群れにリーダーがいる象などの動物は社会性を持っていると言える。哺乳類のような高度な生物でなくとも、ある昆虫類では集団生活と分業が見られる。このような昆虫を社会性昆虫と呼ぶ。アリなどのように生殖能力が1個体のみの社会を真社会性と呼ぶ。アリの他に、ハダカデバネズミも真社会性である。

個体群の成長と密度効果

個体群の成長

個体群は時間が経つにつれ個体数が増加する。すると、個体群密度が増加する。これを個体群の成長と呼ぶ。個体群は成長するにつれ、次第に環境収容力(個体数が増加しなくなる個体群密度)に達する。すると、成長曲線はS字型になる。

kotai
成長曲線

密度効果

個体群密度によって、個体に影響が与えられることを密度効果と言う。その中でも特に形態や行動に著しい変化がある場合は相変異と呼ぶ。個体群密度が高いところに生息するワタリバッタは、足の長さが短くなることが知られている。

souheni
ワタリバッタの相変異http://ja.wikipedia.org/wiki/

植物においては、個体群密度が高くなると背が伸びなくなり、個体群密度が低くなると背の高く大きく成長する。しかし、個体群密度がいかなる場合であっても、植物の総重量はほぼ変わらない。これを最終量一定の法則と呼ぶ。

 

 

個体群

個体群とはある空間で生活する同じ種類の生物集団のことである。

個体群密度

一定の空間で生活する個体数を、個体群密度と言う。個体群の個体数を生活空間の大きさ(面積or体積)で割ると求めることができる。例えば、上のムラサキガイの個体群が3平方メートルに300個体いた場合、個体群密度は100個体/1平方メートルとなる。

個体群密度を求めるには、区画法標識再捕法がある。
区画法は、一定の広さの区画をいくつか設け、区画中の平均個体数を数える。そして、区画が地域全体の何%かを求め、全個体数を推定する。
標識再捕法では、捕獲した個体に標識を付けて話、いってい時間後に再び捕獲する。次の比例式に当てはめて全体の個体数を推定する。
全個体数:最初の標識の個体数=2度めに捕獲された総個体数:2度めに捕獲された標識のある個体数

個体の分布様式

個体群の中の個体の分布様式は集中分布、一様分布、ランダム分布の3つに分けられる。

集中分布では生息域の特定の場に集って分布している。巣ごとに集団生活している蟻などの動物が例として挙げられる。

一様分布では生息域全体に均一に分布している。フジツボなどが例として挙げられる。

ランダム分布では、不規則に分布している。たんぽぽなどが例として挙げられる。

tanpopo
タンポポhttp://blogs.yahoo.co.jp/mikiyamapark/39013025.html

bunpu
上から一様分布、ランダム分布、集中分布

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E5%B8%83%E6%A7%98%E5%BC%8F

メタ個体群

ある地域に分布する同種個体群の間で、お互いに個体の行き来がある場合、それらの個体群をまとめてメタ個体群と呼ぶ。各個体群では、個体数の増減がある場合でも、メタ個体群としては一定の個体数を保っている場合が多い。

meta
メタ個体群http://nrifs.fra.affrc.go.jp/ugoki/17/14.htm

環境と個体群の変容

安定した環境では、子どもが死ぬ確率が低いため、大卵少産型が多い。個体数は環境収容力に近い値となる。一方、不安定な環境では小卵多産型が多く、個体数は大きく変動する。小卵多産型の個体数は環境収容力には達しない。

アクアリウムの世界では、よく、「大卵型だから水槽で殖える」とか、「小卵型だから水槽で増やすのは難しい」とか言います。前者はビーシュリンプやミナミヌマエビ、後者はヤマトヌマエビが有名です。
http://mizugiwa.sakura.ne.jp/shrimp/bigsmall.htm