生物の体内環境

様々な生物の体液の循環

脊椎動物の血液の循環

脊椎動物は心臓によって血液を循環させている。心臓の構造は、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類によって異なる。魚類の心臓は、心室と心房が曲がりながら連なる管であるが、両生類以上の生物はより複雑な構造をしている。

両生類、爬虫類の心臓は心房に隔壁を持つ2心房1心室である。ほ乳類、鳥類は、心室に隔壁を持つ2心房2心室である。爬虫類でも、ワニなどでは隔壁がほぼ完成しており、一部に穴が開いているのみである。

魚類と両生類以上の生物の循環系の違い

魚類の循環系は次の通りとなる。

体の組織→心房→心室→えら→体の組織

酸素をえらで吸収し、そのまま組織へと送られる。一方、両生類以上となると次のようになる。

体の組織→心房→心室→肺→心房→心室→体の組織

体循環肺循環が分かれている。

両生類・爬虫類の循環の特徴

両生類、爬虫類は心房に隔壁があるが、心室には隔壁がない。そのため、静脈血と動脈血が心室にて混ざり合う。そのため、酸素と二酸化炭素のガス交換の効率が悪い。

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鳥類・ほ乳類の循環の特徴

鳥類、哺乳類では心室が完全に二分されており、肺からの動脈血と、全身からの静脈血が混ざり合うことがないため、効率よくガス交換を行うことができる。

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ヒト胎児の心臓と卵円孔

ヒトの胎児は、出生前には卵円孔と呼ばれる穴が心房にあいている。胎内においては肺呼吸をしないため、特に問題はない。出生後にする最初の息によって、卵円孔弁が押し付けられるようにして、穴を塞ぐ。

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この穴が塞がれなかった場合、卵円孔開存 と呼ばれ、動脈血と静脈血が混流する状態となる。また、心臓が上手く圧をかけることができなく、減圧症状となる。しかし、人口の30%ほどの人は、わずかに穴が開いており、よほど大きな穴でなければ支障はない。

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無脊椎動物の体液の循環

無脊椎動物は、脊椎動物のような系統だった心臓の発達は見られない。小さな無脊椎動物(扁形動物(プラナリア等)、棘皮動物(ヒトデ、ウニ等)など)は心臓がない。軟体動物(貝類)、環形動物(ミミズなど)、節足動物(昆虫、海老、蟹など)には心臓はある。

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クラゲは大きさ的には決して小さくはないが、心臓を持っていない。ふつう、体の大きな生物は、自身の体液を循環させるために心臓を必要とするものである。クラゲは心臓は持っていないが、自身が心臓のように運動し、水を循環させ、ガスや物質の循環を行っている。「体が大きい=循環系が発達している」という常識を覆す生物であり、たまに国立大学入試などでも取り上げられる。

血液型と輸血

血液型

血液型にはABO型Rh型がある。

血液型

ABO型

ABO型は赤血球表面に存在する糖鎖の種類によって決定されている。日本の血液型の割合は次の通りである。


A型:40% > O型:30% > B型:20% > AB型 :10%

Rh型

赤血球表面に存在する抗原の種類によって決定されている(Rh抗原は40種類以上確認されている)。Rh抗原を持つ人をRh+、持たない人をRh-と表現する。ABO型が一致していても、Rh-型の人がRh+型の人の血液を輸血されるとショック症状が出ることがある。Rh-もRh+も機能的な違いはないが、Rh-型の人口が圧倒的に少ないため(200人に1人)、輸血用血液を確保する困難がある。

Rh抗原

血液の輸血

ここではABO型のみに注目して輸血について述べる。赤血球の細胞膜には抗原となる凝集原が存在している。また、それぞれの血液型には凝集原の抗体となる凝集素が含まれている。それぞれの組み合わせは下の通りである。

血液型

凝集反応


凝集素α
凝集原A凝集素β凝集原Bが特異的に結合し、周囲の血球同士を連結させる凝集反応が起こる。

輸血可能な組み合わせ

例えば、O型には凝集素α、βどちらも含まれているが、O型の血液をA型に輸血しても問題ない。これは、輸血する血液に含まれている抗体(凝集素α)は僅かであり、抗原抗体反応は起こって結合はするが、凝集までには至らないためである。

同様の理由で、O型の血液は、B型、AB型にも輸血可能である。しかし、全血液を取り替える(多量の血液を輸血する)という場合には、血液型が一致しなければ凝集反応が起こってしまう。

一方、AB型のヒトは凝集素を持っていないため、どの血液型の血液からも輸血されることが可能である。

凝集反応
+は凝集、-は凝集を起こさないhttps://www.kango-roo.com/

 

ホルモン・自律神経による調節

フィードバック

例えば、チロキシンが血液中に不足すると、視床下部から放出ホルモンが分泌され、脳下垂体前葉から甲状腺刺激ホルモンが分泌される。これよって甲状腺からチロキシンが分泌される。あるところまでチロキシンが分泌されると、チロキシンが視床下部に作用して、ホルモン分泌を抑制する。このように、引き起こされた結果が一番はじめに作用して調節するシステムをフィードバックと呼ぶ。結果が原因を抑制するのを負のフィードバックと呼び、促進するのを正のフィードバックと呼ぶ。

フィードバック

血糖量の調節

ヒトの血液中には空腹時で0.1%のグルコースが含まれており、これを血糖と呼んでいる。血糖量はホルモンと自律神経の働きによって一定に保たれている。

血糖

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血糖量増加

血糖量増加に使われるホルモンは、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、糖質コルチコイド、アドレナリン、チロキシン、グルカゴンである。副腎髄質とすい臓ランゲルハンス島は交感神経につながっている。

血糖量低下

血糖量低下に使われるホルモンはインスリンである。副交感神経によって分泌が促進される。

血糖量

糖尿病

血糖量が低下しなくなる病気を糖尿病と言う。インスリンの分泌不足が原因であり、インスリンを投与し続けなければならない。また、逆にインスリンの過剰摂取は低血糖症を引き起こす。脳機能が低下し、意識喪失、昏睡状態となる。

体温の調節

恒温動物では体温が一定に保たれるシステムを持っている。体温調節には2つの側面があり、それらは発熱量放熱量である。チロキシンとアドレナリンによって発熱量が増加し、血管や立毛筋が収縮することにより放熱量が抑制される。アドレナリンと血管・立毛筋の収縮は交感神経によて支配されている。

脊椎動物のホルモン

脊椎動物のホルモンは以下のようにまとめられる。

視床下部

放出ホルモン・抑制ホルモン
脳下垂体のホルモン分泌を調節する。

脳下垂体前葉

成長ホルモン
タンパク質の合成を促進し、筋肉や骨などの成長を促進させる。

甲状腺刺激ホルモン

甲状腺でのチロキシンの分泌を促進させる。

副腎皮質刺激ホルモン

副腎皮質での糖質コルチコイドの分泌を促進させる。

生殖腺刺激ホルモン
生殖腺での性ホルモンの分泌を促進させる。また、生殖腺の発達を促進させる。

脳下垂体中葉

メラノトロピン
両生類・爬虫類において、体色の変化をさせる。

体色変化

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体色は細胞内の顆粒が移動して変化する。

色素胞

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脳下垂体後葉

バソプレシン
腎臓の集合管において、水分の再吸収を促進させる。また、血圧を上昇させる。

甲状腺

チロキシン
様々な代謝を促進させる。また、成長・変態(両生類)を促進させる。

副甲状腺

パラトルモン
血液中のカルシウムイオンを増加させる。腎臓でのカルシウム再吸収増加の他、骨からカルシウムを血液中に放出させる。

副甲状腺

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膵臓ランゲルハンス島A細胞

グルカゴン
血糖量を増加させる。

膵臓ランゲルハンス島B細胞

インスリン
血糖量を減少させる。糖尿病患者に投与されるホルモン。下画像では灰色の細胞がランゲルハンス島B細胞である。

ランゲルハンス島

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副腎皮質

糖質コルチコイド
血糖量を増加させる。

鉱質コルチコイド
ナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排泄を促進する。

副腎皮質

副腎髄質

アドレナリン
血糖量を増加させる。

卵巣ろ胞

エストロゲン(ろ胞ホルモン)
雌の2次性徴の発現を促進させる。

濾胞
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濾胞とは、卵巣の中に多数存在する球状の細胞のかたまりで、その中には1個の卵細胞が含まれ、それを卵巣の細胞が包んでいる構造である。

ろ胞

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卵巣黄体

プロゲステロン(黄体ホルモン)
妊娠を継続させ、排卵を抑制する。

卵巣

精巣

アンドロゲン(雄性ホルモン)
雄の2次性徴の発現を促進させる。

ホルモンと内外分泌腺

ホルモン

ホルモンとは、内分秘腺から放出される物質であり、恒常性を維持するなどの働きに重要な役割をする。ホルモンは血液に乗って標的器官標的細胞へと運ばれる。そのため、ホルモンが分泌されてから反応が起こるまでは、時間がかかる。また、極微量で作用し、多くは自律神経系と協調して働く。

ホルモン

ホルモンの種類

ホルモンは、タンパク質、アミノ酸、ステロイドが成分となっている。ステロイド系のホルモンはコルチコイド性ホルモンだけである。タンパク質系ホルモンの殆どは親水性であり、ステロイド系ホルモンは疎水性である。ただし、チロキシンはタンパク質系ホルモンであるが疎水性である。

性ホルモン

性ホルモンhttp://www.dreamstime.com/

コルチコイド
コルチコイドhttps://en.wikipedia.org/

ステロイド

ステロイドとは、ステロイド骨格(下画像)と呼ばれる構造を持つ物質の総称である。ステロイドは殆どの生物で生合成される物質で、ホルモン類として重要な働きをする。

ステロイド骨格

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内分泌腺と外分泌腺

ホルモンなど体内に分泌する腺を内分秘腺と呼ぶ。分泌物は血液などの体液に乗って運ばれる。

内分泌腺

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一方、体外に物質を分泌する腺を外分泌腺と呼ぶ。外分泌腺は排出管と呼ばれる体外へ続く管を持っている(下画像)。外分泌腺には消化腺、汗腺、皮脂腺などがある。

自律神経系

交感神経・副交感神経

心臓の拍動、肺、胃、小腸などの内蔵、消化腺・汗腺などの無意識的な運動は自律神経によって制御されており、間脳の視床下部が中枢となっている。自律神経には交感神経副交感神経の2種類があり、活動的な時に使われるのが交感神経、リラックスしている時に使われるのが副交換神経である。

交感神経

交感神経は脊髄の腹根から出ており、器官に達する途中で神経節に入り、シナプスを形成している。交感神経の末端では神経伝達物質としてノルアドレナリンが放出される。

交感神経

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副交感神経

副交感神経は交感神経と異なり、脊髄中部からではなく、中脳、延髄、脊髄の下部から各器官へ伸びている。それぞれの副交感神経の名称は次のようになっている。

出ている部位 神経名
中脳 動眼神経
延髄 迷走神経

顔面神経

脊髄下部(仙椎) 仙椎神経

副交感神経は分布する器官の直前でシナプスを形成し、アセチルコリを放出する。

副交感神経

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動眼神経

動眼神経は運動神経としての役割も持っており、眼球の筋肉を支配し、眼球運動を司る(随意運動)。一方で、毛様体のレンズの厚みを調節させる運動、瞳孔を収縮するなどの不随意の運動も行う。

動眼神経

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迷走神経

迷走神経は延髄から出ている神経で、体内で多数枝分かれし、複雑な経路を取り、腹腔にまで広く分布している。まるで迷走しているようなのでこの名前がつけられた。

迷走神経

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顔面神経

顔面神経は延髄から出ている神経で、顔面に分布し主として表情筋の運動を支配する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/

交感神経と副交感神経の働き

基本的なイメージとしては、交感神経は活動を促進(収縮・拡張など)させ、副交感神経は活動を抑制(弛緩、収縮)するために働く。しかし、交感神経は胃のぜん動運動、排尿・排便は抑制する作用を示す。交換神経は基本的に緊張状態にある時に働くため、そのような状態の時は消化活動を抑えるのである。

交感神経 副交感神経
涙腺 促進 さらに促進
汗腺 促進 なし
立毛筋 収縮 なし
呼吸 速く浅くなる 遅く深くなる
心臓拍動 促進 抑制
血管 収縮 なし
胃・小腸の消化運動 抑制 促進
ぼうこう 弛緩 収縮
ぼうこう括約筋 収縮 弛緩
肛門括約筋 収縮 弛緩

自律神経失調症

自律神経は大脳の支配を受けないが、大脳で感じる不安などが視床下部を通して影響を与えることもある。ストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、各器官で様々な症状となって表れることもある。そのような状態を自律神経失調症と呼ぶ。

自律神経失調症

http://www.jiritsu-shinkei.com/

心臓の拍動

心臓の拍動は右心房壁にある洞房結節(ペースメーカー)によって引き起こされる。ペースメーカーの刺激は刺激伝達系という経路を通って、左右の心房と心室を規則正しく運動させている。

その拍動を強くしたり弱くしたりするのは交感神経・副交感神経の役割である。これらの中枢は延髄である。延髄は血液中の二酸化炭素濃度によって拍動調節を行う。

レーウィの実験

副交感神経から放出されるアセチルコリンが心臓拍動が抑制されることはレーウィの実験によって証明された。レーウィは心臓1(上段)に繋がる迷走神経を電気刺激すると、心臓1の拍動がゆっくりなり、しだいに心臓2(下段)の拍動も遅くなることを発見した。これは、迷走神経の末端からアセチルコリンが分泌され、液を通じて心臓2に送られるためである。

レーウィの実験

https://www.studyblue.com/

免疫と医療

予防接種

無毒化した細菌・ウィルスや、弱毒化した病原体や毒素を体内に注入することを予防接種と呼ぶ。無毒化・弱毒化した抗原はワクチンと呼ばれ、これを元に免疫記憶細胞を形成させ、2次応答によって感染を防いでいる。日本では予防接種法により、無料で接種することができる(インフルエンザ等の任意接種を除く)。

予防接種

http://idsc.nih.go.jp/

予防接種の種類

インフルエンザウィルスや、日本脳炎はしか結核などが予防接種として有名である。インフルエンザは自身の表面のタンパク質(抗原)を変化させるので、毎年予防接種をしなければならない。また、鳥のみに感染していたインフルエンザが変異を起こし、人間に感染するようにもなり猛威をふるっている。

インフルエンザウィルス

ウィルスの表面には2種類の突起(タンパク質)がある。インフルエンザはこのタンパク質に突然変異が起こりやすく、毎年微妙に構造が変化するため、毎年予防接種を受けなければならない。

インフルエンザ

https://www.researchgate.net/

はしか(麻疹ウイルス)

麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性のウイルス感染症をはしか(麻疹)と呼ぶ。高熱と全身の発疹が特徴的であり、脳炎との合併症状を引き起こすこともある。

はしか

http://www.miyake-naika.or.jp/

日本脳炎ウィルス

日本脳炎は、日本脳炎ウィルスに感染した豚の血液を蚊を介して、日本脳炎ウィルスが人体に侵入することによって感染する。20%が死亡、50%が後遺症が残るなど、重大な病気である。

日本脳炎

http://kodomonohokenn.seesaa.net/

結核菌

日本では主に肺結核が8割を占める。結核菌が胚の内部で増えて、様々な炎症が起こり、胚か破壊されていき、呼吸する力が低下し、呼吸困難に陥って死亡することもある。

結核

http://aspergillusblog.blogspot.jp/

血清療法

抗原をウマなどの動物に注射して抗体を産生させ、血清を患者に接種して病原菌などを取り除く治療法を血清療法と呼ぶ。血清とは血液の血球や凝固因子などを取り除いたもので、免疫グロブリン(抗体)などのみが含まれている。蛇の毒や、破傷風ジフテリアの治療方法である。

血清療法

http://challengers.terumo.co.jp/

破傷風の血清療法を確立したのは北里柴三郎である。

破傷風

土壌中に棲息する破傷風菌 が、傷口から体内に侵入することで感染を起こす。破傷風菌は芽胞として自然界の土壌中に遍く常在しており、多くは自分で気づかない程度の小さな切り傷から感染している。ワクチンによる抗体レベルが十分でない限り、誰もが感染し、発症する可能性はある。

破傷風菌

http://www.gettyimages.co.jp/

破傷風菌は神経毒を分泌し、脳や脊髄の運動抑制ニューロンに作用し、筋肉麻痺、強直性痙攣を引き起こす。あまりに強い痙攣なため、最悪の場合、激烈な全身性の痙攣発作や、脊椎骨折などを伴いながら死に至る。

破傷風

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ジフテリア

ジフテリア菌感染によって発症する上気道の粘膜感染症である。喉の痛み、犬がほえるような咳、筋力低下、激しい嘔吐などが起こり、気道が腫れ上がって、窒息死することもある。

ジフテリア

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拒絶反応

拒絶反応

移植された細胞を非自己とみなしてキラーT細胞などが攻撃する反応を拒絶反応と呼ぶ。細胞表面にある主要組織適合抗原(MHC)が同じでなければ移植することはできない。MHCとは全脊椎動物における主要組織適合抗原の名称であり、個別の生物種ごとに名前が付けられている。ヒトの場合はMHCのことをHLA(humena leucocyte antigen)と呼ぶ。

HLAと拒絶反応

HLAが完全に同じでなくても移植することはできる。しかし、強い拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤が使われる。免疫を抑制するわけであるから、人体は危険に晒されることになる。また、骨髄移植では血液全てが入れ替わるため、HLAの一致が絶対条件となっている。

副作用や危険性のない免疫抑制剤は存在しない。大部分のものは非選択的に作用するため、免疫系は感染や悪性新生物の拡大をうまく抑えることが出来なくなる。高血圧、異脂肪血症高血糖、消化性潰瘍、肝臓や腎臓の機能障害などの副作用もある。免疫抑制剤は他の薬剤の代謝や作用に影響することもある。
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MHCの違いと好きな異性のタイプ

MHCの遺伝的違いが好きな異性のタイプにも関連付けられるのではとの意見もある。が、本当の所はまだ分かっていない。

MHC遺伝子が遠い人の匂いほど、好ましく感じる
実験はこのような手順で行われました。男性には、香辛料の強い食事や香水などの使用を避けて、週末の2日間、同じ木綿のTシャツを着て過ごしてもらいます。その後、使用済みのTシャツは、実験室に集められ、被験者の女性たちにTシャツの匂いを嗅いでもらい、好感度のある順番に並べさせました。その結果、女性たちは、MHC(Major Histocompatibility Complex)という免疫をつかさどる遺伝子の値が、遠い男性のTシャツほど、好ましい匂いと回答していたそうです。

出典2/3 彼氏の「におい」にフェチな女性が多い理由 [西郷理恵子の恋愛コラム] All About

免疫記憶と拒絶反応

移植の際にも免疫記憶細胞が形成される。一度移植して失敗したものは、次に移植する際には1回目よりも早くに拒絶反応が起こる。

生体防御 -自然免疫・獲得免疫-

免疫とは

体内に侵入した異物を非自己と認識し、排除するシステムを免疫という。免疫には自然免疫獲得免疫の2種類がある。

免疫

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自然免疫

樹状細胞、マクロファージ、好中球食作用や、NK細胞による感染した細胞を破壊するシステムを自然免疫と呼ぶ。自然免疫は、組織的な免疫というよりも、偶然出会った異物を食べて破壊するという防衛システムである。病原菌だけではなく、死んだ細胞や異物などの微粒子も細胞内に取り込んで分解する。好中球は殺菌物質を分泌することもある。

獲得免疫

侵入した異物の情報を樹状細胞とマクロファージが認識して、情報に基づく非自己排除のシステムを獲得免疫と呼ぶ。獲得免疫には体液性免疫細胞性免疫がある。

免疫 自然免疫
獲得免疫 体液性免疫
細胞性免疫

体液性免疫

獲得免疫を引き起こす物質は抗原と呼ばれており、細菌やウィルスの物質、異種タンパク質、がん細胞の表面物質などが例として挙げられる。体液性免疫は次の仕組みで起こる。

①抗原提示

抗原は樹状細胞(下画像左)によって分解され、抗原情報をヘルパーT細胞に提示する(抗原提示)。

体液性免疫

②B細胞の活性化

ヘルパーT細胞は活性化して増殖し、同じ抗原を認識したB細胞を活性化させる。B細胞は抗体産生細胞に分化して抗体産生を始める。

体液性免疫

 

③抗体による抗原の無毒化と食作用

作られた抗体は抗原と特異的な反応(抗原抗体反応)をし、凝集して抗原を無毒化する。抗原はマクロファージや好中球の食作用によって排除される。

マクロファージ
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抗体

抗体は免疫グロブリンと呼ばれるY字型のタンパク質でできている。可変部定常部に分かれており、可変部が抗原に結合する。

koutai
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B細胞は可変部の遺伝子を自ら組み替えて様々な種類の抗体を作りだしている。このシステムを解明した利根川進はノーベル賞を受賞している。

tonegawa
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免疫記憶

抗原刺激によって分化したB細胞とヘルパーT細胞の一部は免疫記憶細胞として体内で残り続ける。そして、同じ抗原が入ってきた際にただちに抗体を産生するようになる。この急速で強い免疫反応を2次応答と呼んでいる。同じ病気に2度と罹らないのはこのシステムのおかげである。

血液型と体液性免疫

血液型の違うヒトの血液を輸血すると、血液同士がかたまりになる。この現象を赤血球の凝集反応と呼ぶ。凝集原(抗原)凝集素(抗体)の働きによって起こる抗原抗体反応である。ヒトの血液型は赤血球表面にある多糖類によって決定されており、これが凝集原(A、B、AとB両方、なし(O型))となる。凝集素にはαとβの2種類がある。凝集素αと凝集原A、凝集素βと凝集原Bが組み合わさった時に凝集反応が起こる。

細胞性免疫

抗体を使わずにマクロファージやキラーT細胞を活性化させて抗原を排除するシステムを細胞性免疫という。次の仕組みで細胞性免疫が起こる。

①抗原提示

樹状細胞はヘルパーT細胞に抗原提示し、ヘルパーT細胞は活性化され増殖する。

抗原提示

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②キラーTの活性化

ヘルパーT細胞は同じ抗原を認識したキラーT細胞を活性化させる。活性化されたキラーT細胞は、病原体が感染した細胞を排除する。

キラーT

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③マクロファージの集合

また、活性化されたヘルパーT細胞はマクロファージの集合を促し、食作用によって抗原を排除する。ヘルパーT細胞やキラーT細胞はその後免疫記憶細胞として残り続けるため、細胞性免疫においても2次応答が起こる。

マクロファージ

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生体防御 -白血球の種類-

生体防御

非自己から自己を守る働きを生体防御と呼ぶ。最も単純なものは皮膚(下画像)や上皮などによる異物の侵入を防ぐことである。ウィルスなどは生きている細胞にしか感染することができない。つまり、皮膚は死細胞の集まりであるため、ウィルスは皮膚からは侵入できないということである。

hyouhi

細菌やウィルスなどの非自己を排除するシステムを免疫と呼び、白血球がその役割を担っている。免疫には胸腺(下画像)、ひ臓リンパ管リンパ節などの器官が関与しており、白血球などの細胞が多く存在している。白血球には次のような種類がある。

胸腺

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顆粒白血球

食作用を行う白血球である。体内に分解酵素を多く含んでいる顆粒を持つ。好中球が一番多い。下流白血球は白血球のうちで,細胞質中に多くの顆粒を含むものである。。色素に対する染色性から,好中性球・好酸性球・好塩基性球に分けられている。

kouchuukyuu
http://www.root.ne.jp/

樹状細胞

食作用を持ち、樹上の形状をした細胞である。

jujou
http://immunoth.umin.jp/

取り込んだ非自己(抗原)をヘルパーT細胞に提示する(抗原提示)。

抗原提示
http://www.slideshare.net/

マクロファージ

食作用を持ち、ヘルパーT細胞に抗原提示を行う。

makurofaji
http://www.fmu.ac.jp/

リンパ球

リンパ球は細胞質が少なく、大きな核を持つ。ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞の種類がある。

ヘルパーT細胞

ヘルパーT細胞はB細胞とキラーT細胞を活性化させる。T細胞は胸腺(Thymus )で成熟する。

キラーT細胞

キラーT細胞は非自己と認識された細胞(がん細胞など)を破壊する。

killer
http://soratushin.sblo.jp/

B細胞

B細胞は抗体を産生する。B細胞は骨髄(bone marrow)で生成され、成熟する。

bsaibo
http://tsubuko.at.webry.info/

NK細胞

病原体などに感染した細胞を攻撃し、排除する。細胞を殺すのには、T細胞とは異なり事前に抗原提示を受ける必要がない。

NK
http://turnmeon.hatenablog.com/