生物の体内環境

一次リンパ器官と二次リンパ器官-骨髄 胸腺 リンパ節 脾臓 リンパ組織-

一次リンパ器官・二次リンパ器官とは?

リンパ球を作る器官・分化する器官を一次リンパ器官と呼び、成熟したリンパ球が存在している器官を二次リンパ器官と呼ぶ。一次リンパ器官には骨髄胸腺があり、二次リンパ器官にはリンパ節脾臓粘膜関連リンパ組織がある。

http://encyclopedia.lubopitko-bg.com/

骨髄

造血幹細胞からリンパ球や食細胞を含めた血球全てが作られる。B細胞が分化する。B細胞は骨(Bone)のBである。

https://www.cancer.gov/

胸腺

骨髄で作られた未熟な血球がT細胞へと分化する。T細胞は胸腺(Thymus)のTである。

https://commons.wikimedia.org/

リンパ節

組織の病原体や、病原体を取り込んだ樹状細胞などが集まり、免疫応答が起こる場となる。免疫反応が起こると10倍程度まで肥大する(通常は2~3mm)。これが風邪になるとリンパ節が腫れる理由である。

https://www.slideshare.net/

リンパ球は非感染時には血液とリンパ液を循環している。二次リンパ器官には特殊な構造を持つ静脈があり、リンパ球はここからリンパ器官へと進入することができる。リンパ球は病原体と一定時間接触する時間を持ち、病原体との接触がなければリンパ節から出ていって再び体内を循環する。下画像の緑色の節の部分がリンパ節である。

https://humananatomyparts.com/

脾臓

血液中の病原体に対する免疫応答が起こり、抗原を排除する場である。赤い部位と城部位があり、赤い部位には赤血球が多く存在し、古い赤血球が破壊されている。白い部分には白血球が多く存在する。

https://myhealth.alberta.ca/

粘膜関連リンパ組織

粘膜に存在するリンパ組織である。粘膜から病原体が進入すると、免疫細胞へと情報が伝達され、病原体を排除する反応が誘導される。粘膜に点在するものと、扁桃やパイエル板のように塊として存在するものもある。

http://www.nutri.co.jp/

パイエル板

パイエル板は小腸の粘膜上皮下に存在する。その上皮にはM細胞と呼ばれる特殊な細胞があり、M細胞は病原体を取り込み、樹状細胞へ受け渡し、免疫応答を開始させる。

http://www.flspinalcord.us/

オルニチン回路(尿素回路)

オルニチン回路とは

ほとんどの脊椎動物に見られる代謝回路のひとつである。肝細胞のミトコンドリアと細胞質において反応が行われ、アンモニアから尿素を生成している。

肝小葉

http://studiom2.main.jp/

アンモニアを尿素へ

タンパク質やアミノ酸が分解されるとアンモニアが生じる。アンモニアは毒性が強いため、肝細胞のオルニチン回路で毒性の弱い尿素に作りかえられる。オルニチン回路は次の反応段階に分けることができる。

肝細胞ミトコンドリアのマトリックスでの反応

  1. 二酸化炭素とアンモニアから合成された物質はオルニチンと反応し、シトルリンとなる。なお、この時2ATPが消費される。

肝細胞細胞質での反応

  1. シトルリンはアスパラギン酸(アミノ基を持つ)と反応する。この時ATPが消費される。ここで合成された物質は最終的にアルギニンとなる。
  2. アルギニンは、尿素(NH2)2COを放出し、オルニチンになる。

まとめ

くわしく聞かれることはないが、次の回路は覚えておこう。

オルニチン⇒シトルリン⇒アルギニン

アンモニア等の物質の流れを加えると次のようになる。アンモニアが加わる所ではそれぞれATPが消費されている。

オルニチン⇒(+アンモニア+二酸化炭素)⇒シトルリン⇒(+アンモニア)⇒アルギニン⇒(-尿素)⇒オルニチン

 

http://www.nutri.co.jp/

体液の浸透圧調節のグラフ

カニの体液の塩類濃度(浸透圧)変化のグラフ

よく出てくるグラフとして3種類のカニの以下のグラフがある。この3種とは、海水にすむカニ、汽水(淡水と海水が混ざったもの)にすむカニ、淡水にすむカニである。A,B、Cのグラフは、どの種類のカニであろうか。

https://ariori.com/

グラフの見方

右側へ行けばいくほど外液の塩類濃度が上昇し、上側へ行けばいくほど体液の塩類濃度が上昇する。浸透圧調節能力がない生物は、外液の濃度が上がれば、体液の濃度も上昇する。つまり、グラフの傾きが「1」に近いほど浸透圧調節能力が無いと言え、グラフの傾きが少ないほど浸透圧調節能力がある、と言える。

Bは外液の塩類濃度が低くても高くても生きていける生物であり、汽水産のカニであることがわかる。汽水領域では、海水と淡水が完全には混ざっておらず、淡水・海水どちらにも晒される環境にあるのである。

Aは外液の塩類濃度が比較的低くても生きていけるため、淡水産のカニである。塩類濃度が「4」の値までは、グラフの傾きから浸透圧調節をしていることがわかる。

Cは海水産のカニである。どの地点においてもグラフの傾きが「1」の値に近いことから、海水産のカニには浸透圧調節能力が全くないことがわかる。事実、カニだけではなく、海水産の無脊椎動物には浸透圧調節能力は殆どない。

まとめ

上記の様なグラフの読み方として、次のことを押さえておこう。

  1. 浸透圧(体液濃度)調節能力がない生物ほど、グラフの傾きが「1」に近づく。
  2. 浸透圧調節能力がある生物のグラフは平行に近づく。

動物の体液の浸透圧のグラフ

続いて、下のような縦グラフを見てみよう。これは、各動物の体液の浸透圧を示したグラフである。下のグラフは、蒸留水と体液を半透膜で挟んだ際に、どれだけの水が移動したかを測定して作られたものである。なお、淡水と海水の浸透圧も横線として示してある。

https://kotobank.jp/

グラフの見方

各生物の縦グラフは単純に体液の濃度を表していると言ってよい。海産無脊椎動物や海産軟骨魚類はほぼ海水と同じ体液濃度である。一方、同じ海産でも海産硬骨魚類は体液濃度が低い。海産無脊椎動物は体液濃度を調節できないことがわかる。また、海産軟骨魚類は自身の中に尿素をためこんで海水と同じ体液濃度にすることで調節する手間をなくしている。

尿素再吸収

http://schoolbag.info/

海産硬骨魚類は体液濃度を調節(塩分排出)して、海水よりも薄い体液を保っている(下画像上段)。

sintougyorui

https://www.suntory.co.jp/

淡水産の無脊椎動物、硬骨魚類などは、淡水よりも体液濃度が濃いため、それぞれ体液濃度を調節(塩分を吸収して大量の水を排出)する能力を持っていることがわかる(下画像下段)。

sintougyorui

https://www.suntory.co.jp/

ほ乳類、爬虫類、鳥類は優れた腎臓を使って体液濃度を調節できる。

まとめ

次のように覚えておこう。

海水産

浸透圧調節能力なし:海水産無脊椎動物、海水産軟骨魚類

浸透圧調節能力あり:海水産硬骨魚類

淡水産

浸透圧調節能力あり:淡水産無脊椎動物、淡水産硬骨魚類、両生類

原尿量・流入血液量の計算-イヌリンとバラアミノ馬尿酸-

尿生成の過程

尿生成では始めに血液が腎小体【糸球体、ボーマンのう)でろ過され、原尿が生成される。その後、原尿は腎細管を通る際に成分が再吸収され、尿となる。この流れは頭に入れておこう。

saikyusyu

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イヌリンとは

イヌリンとは多糖類の一種であり、いわゆる食物繊維である。体内では分解されず、尿として排出される。イヌリンは全く再吸収されない物質であり、その性質を利用して原尿量などを測定できる。

原尿量の計算方法

原尿量を調べるためには、イヌリンを静脈注射する。イヌリンは糸球体からボーマンのうへろ過されるが、腎細管では全く再吸収されず、原尿中の全てのイヌリンが尿中に排出される。

  • イヌリンの原尿中の濃度=P
  • イヌリンの尿中での濃度=U
  • 尿量=V

とすると、

  • イヌリンの原尿中での量=原尿量×P
  • 尿中でのイヌリンの量=V×U

となる。

イヌリンは原尿中の全てが尿中に排出されるので、尿中でのイヌリンの量と、原尿中でのイヌリンの量は等しい。つまり次の式が導き出される。

原尿量 × P = V × U

変形すると次のようになる。

原尿量 = V × U / P

イヌリンは糸球体からボーマンのうへろ過される物質である。そのため、血しょう中の濃度と原尿中のイヌリンの濃度は等しい。つまり、次の式が成り立つ。

U / P = 血しょう中のイヌリンの量 / P

「血しょう中のイヌリンの量 / 尿中のイヌリンの量」は血しょうから尿へのイヌリンの濃縮率であると言える。よって、原尿量を求める式は次のようにも立てることができる。

原尿量 = V × イヌリンの濃縮率

例題①

ある人の原尿量を調べるためにイヌリンを静脈注射し、血しょう中の濃度が安定してから尿中イヌリンの濃度を測定し、次の数値が得られた。また、1時間あたりでの尿の生成量は60mLとする。1時間当たりの原尿の生成量を計算してみよう。

血しょう中 尿中
28 mg/100mL 3360 mg/100mL

考え方

血しょう中と原尿中のイヌリン濃度は同じであること、イヌリンは全く再吸収されない物質であるから、次の式が使える。

原尿量 = 尿量 × イヌリンの濃縮率

数値を入れていくと、

原尿量 = 60ml × 3360 / 28

原尿量 = 60 × 120 = 7200 mL

よく尿素の数字もイヌリンと並行して問題文に記されることが多いが、尿素は再吸収される物質であるため、イヌリンのような正確な原尿量の数値を求めることができない。「全く再吸収されない」からこそできる計算なのである。

腎臓に入ってくる血液量の計算-バラアミノ馬尿酸-

イヌリンはあくまで「ろ過した血しょう量」を調べることしかできない。しかし、実際にはろ過する量以上の血液が腎臓に流入しており、ろ過されきれなかった血しょうも多くあるだろう。つまり何が言いたいのかというと、「ろ過した血しょう量」は「腎臓に流入した血液量」ではないということである。

「腎臓に入ってくる血液量」の計算方法として、バラアミノ馬尿酸が用いられる。この物質は、糸球体からボーマンのうへろ過されるだけでなく、さらに糸球体を通過した血液から腎細管へ追加排出される。血液が1回腎臓を通過することによって、血しょう中の90%のバラアミノ馬尿酸が尿中へ排出されることがわかっている。

https://en.wikipedia.org/

例題②

ある人の腎臓へ流入する血液量を調べるためにバラアミノ馬尿酸を静脈注射し、血しょう中の濃度が安定してから尿中濃度を測定し、次の数値が得られた。なお、1時間で60mlの尿が生成され、血しょう中の90%のバラアミノ馬尿酸が尿中へ排出される。また、血液における血しょうの割合は56%とする(44%は血球)。1時間あたりの腎臓へ流入する血液量を計算してみよう。

血しょう中 尿中
2 mg/100mL 1260 mg/100mL

考え方

1時間で60mlの尿ができるため、尿中のバラアミノ馬尿酸の量は

1260 × 60 /100 = 756 mg

血しょう中の90%が尿中へ排出されるため、血しょう中のバラアミノ馬尿酸の量は

756 ÷ 0.9 = 840 mg

血しょう100mL中にバラアミノ馬尿酸は2mg含まれているので、840mgのバラアミノ馬尿酸を含む血しょうの量は

840 × 100 / 2 = 42000 mL = 42 L

血液中の血しょう成分の割合は56%なので、血液量は

血液量 × 56 / 100 = 42 L

血液量 = 75L

様々な生物の体液の循環

脊椎動物の血液の循環

脊椎動物は心臓によって血液を循環させている。心臓の構造は、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類によって異なる。魚類の心臓は、心室と心房が曲がりながら連なる管であるが、両生類以上の生物はより複雑な構造をしている。

両生類、爬虫類の心臓は心房に隔壁を持つ2心房1心室である。ほ乳類、鳥類は、心室に隔壁を持つ2心房2心室である。爬虫類でも、ワニなどでは隔壁がほぼ完成しており、一部に穴が開いているのみである。

魚類と両生類以上の生物の循環系の違い

魚類の循環系は次の通りとなる。

体の組織→心房→心室→えら→体の組織

酸素をえらで吸収し、そのまま組織へと送られる。一方、両生類以上となると次のようになる。

体の組織→心房→心室→肺→心房→心室→体の組織

体循環肺循環が分かれている。

両生類・爬虫類の循環の特徴

両生類、爬虫類は心房に隔壁があるが、心室には隔壁がない。そのため、静脈血と動脈血が心室にて混ざり合う。そのため、酸素と二酸化炭素のガス交換の効率が悪い。

https://www.quora.com/

鳥類・ほ乳類の循環の特徴

鳥類、哺乳類では心室が完全に二分されており、肺からの動脈血と、全身からの静脈血が混ざり合うことがないため、効率よくガス交換を行うことができる。

http://keckmedicine.adam.com/

ヒト胎児の心臓と卵円孔

ヒトの胎児は、出生前には卵円孔と呼ばれる穴が心房にあいている。胎内においては肺呼吸をしないため、特に問題はない。出生後にする最初の息によって、卵円孔弁が押し付けられるようにして、穴を塞ぐ。

http://lifeorder-lab.com/

この穴が塞がれなかった場合、卵円孔開存 と呼ばれ、動脈血と静脈血が混流する状態となる。また、心臓が上手く圧をかけることができなく、減圧症状となる。しかし、人口の30%ほどの人は、わずかに穴が開いており、よほど大きな穴でなければ支障はない。

http://www.natureasia.com/

無脊椎動物の体液の循環

無脊椎動物は、脊椎動物のような系統だった心臓の発達は見られない。小さな無脊椎動物(扁形動物(プラナリア等)、棘皮動物(ヒトデ、ウニ等)など)は心臓がない。軟体動物(貝類)、環形動物(ミミズなど)、節足動物(昆虫、海老、蟹など)には心臓はある。

http://www.pteron-world.com/

クラゲは大きさ的には決して小さくはないが、心臓を持っていない。ふつう、体の大きな生物は、自身の体液を循環させるために心臓を必要とするものである。クラゲは心臓は持っていないが、自身が心臓のように運動し、水を循環させ、ガスや物質の循環を行っている。「体が大きい=循環系が発達している」という常識を覆す生物であり、たまに国立大学入試などでも取り上げられる。

血液型と輸血

血液型

血液型にはABO型Rh型がある。

血液型

ABO型

ABO型は赤血球表面に存在する糖鎖の種類によって決定されている。日本の血液型の割合は次の通りである。


A型:40% > O型:30% > B型:20% > AB型 :10%

Rh型

赤血球表面に存在する抗原の種類によって決定されている(Rh抗原は40種類以上確認されている)。Rh抗原を持つ人をRh+、持たない人をRh-と表現する。ABO型が一致していても、Rh-型の人がRh+型の人の血液を輸血されるとショック症状が出ることがある。Rh-もRh+も機能的な違いはないが、Rh-型の人口が圧倒的に少ないため(200人に1人)、輸血用血液を確保する困難がある。

Rh抗原

血液の輸血

ここではABO型のみに注目して輸血について述べる。赤血球の細胞膜には抗原となる凝集原が存在している。また、それぞれの血液型には凝集原の抗体となる凝集素が含まれている。それぞれの組み合わせは下の通りである。

血液型

凝集反応


凝集素α
凝集原A凝集素β凝集原Bが特異的に結合し、周囲の血球同士を連結させる凝集反応が起こる。

輸血可能な組み合わせ

例えば、O型には凝集素α、βどちらも含まれているが、O型の血液をA型に輸血しても問題ない。これは、輸血する血液に含まれている抗体(凝集素α)は僅かであり、抗原抗体反応は起こって結合はするが、凝集までには至らないためである。

同様の理由で、O型の血液は、B型、AB型にも輸血可能である。しかし、全血液を取り替える(多量の血液を輸血する)という場合には、血液型が一致しなければ凝集反応が起こってしまう。

一方、AB型のヒトは凝集素を持っていないため、どの血液型の血液からも輸血されることが可能である。

凝集反応
+は凝集、-は凝集を起こさないhttps://www.kango-roo.com/

 

ホルモン・自律神経による調節

フィードバック

例えば、チロキシンが血液中に不足すると、視床下部から放出ホルモンが分泌され、脳下垂体前葉から甲状腺刺激ホルモンが分泌される。これよって甲状腺からチロキシンが分泌される。あるところまでチロキシンが分泌されると、チロキシンが視床下部に作用して、ホルモン分泌を抑制する。このように、引き起こされた結果が一番はじめに作用して調節するシステムをフィードバックと呼ぶ。結果が原因を抑制するのを負のフィードバックと呼び、促進するのを正のフィードバックと呼ぶ。

フィードバック

血糖量の調節

ヒトの血液中には空腹時で0.1%のグルコースが含まれており、これを血糖と呼んでいる。血糖量はホルモンと自律神経の働きによって一定に保たれている。

血糖

https://www.paleotreats.com/

血糖量増加

血糖量増加に使われるホルモンは、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、糖質コルチコイド、アドレナリン、チロキシン、グルカゴンである。副腎髄質とすい臓ランゲルハンス島は交感神経につながっている。

血糖量低下

血糖量低下に使われるホルモンはインスリンである。副交感神経によって分泌が促進される。

血糖量

糖尿病

血糖量が低下しなくなる病気を糖尿病と言う。インスリンの分泌不足が原因であり、インスリンを投与し続けなければならない。また、逆にインスリンの過剰摂取は低血糖症を引き起こす。脳機能が低下し、意識喪失、昏睡状態となる。

体温の調節

恒温動物では体温が一定に保たれるシステムを持っている。体温調節には2つの側面があり、それらは発熱量放熱量である。チロキシンとアドレナリンによって発熱量が増加し、血管や立毛筋が収縮することにより放熱量が抑制される。アドレナリンと血管・立毛筋の収縮は交感神経によて支配されている。

脊椎動物のホルモン

脊椎動物のホルモンは以下のようにまとめられる。

視床下部

放出ホルモン・抑制ホルモン
脳下垂体のホルモン分泌を調節する。

脳下垂体前葉

成長ホルモン
タンパク質の合成を促進し、筋肉や骨などの成長を促進させる。

甲状腺刺激ホルモン

甲状腺でのチロキシンの分泌を促進させる。

副腎皮質刺激ホルモン

副腎皮質での糖質コルチコイドの分泌を促進させる。

生殖腺刺激ホルモン
生殖腺での性ホルモンの分泌を促進させる。また、生殖腺の発達を促進させる。

脳下垂体中葉

メラノトロピン
両生類・爬虫類において、体色の変化をさせる。

体色変化

http://sisya-kero.blogspot.jp/

体色は細胞内の顆粒が移動して変化する。

色素胞

https://phys.org/

脳下垂体後葉

バソプレシン
腎臓の集合管において、水分の再吸収を促進させる。また、血圧を上昇させる。

甲状腺

チロキシン
様々な代謝を促進させる。また、成長・変態(両生類)を促進させる。

副甲状腺

パラトルモン
血液中のカルシウムイオンを増加させる。腎臓でのカルシウム再吸収増加の他、骨からカルシウムを血液中に放出させる。

副甲状腺

 http://www.thyroid.com.au/

膵臓ランゲルハンス島A細胞

グルカゴン
血糖量を増加させる。

膵臓ランゲルハンス島B細胞

インスリン
血糖量を減少させる。糖尿病患者に投与されるホルモン。下画像では灰色の細胞がランゲルハンス島B細胞である。

ランゲルハンス島

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副腎皮質

糖質コルチコイド
血糖量を増加させる。

鉱質コルチコイド
ナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排泄を促進する。

副腎皮質

副腎髄質

アドレナリン
血糖量を増加させる。

卵巣ろ胞

エストロゲン(ろ胞ホルモン)
雌の2次性徴の発現を促進させる。

濾胞
http://meddic.jp/

濾胞とは、卵巣の中に多数存在する球状の細胞のかたまりで、その中には1個の卵細胞が含まれ、それを卵巣の細胞が包んでいる構造である。

ろ胞

http://womenshealthandfertility.blogspot.jp/

卵巣黄体

プロゲステロン(黄体ホルモン)
妊娠を継続させ、排卵を抑制する。

卵巣

精巣

アンドロゲン(雄性ホルモン)
雄の2次性徴の発現を促進させる。

ホルモンと内外分泌腺

ホルモン

ホルモンとは、内分秘腺から放出される物質であり、恒常性を維持するなどの働きに重要な役割をする。ホルモンは血液に乗って標的器官標的細胞へと運ばれる。そのため、ホルモンが分泌されてから反応が起こるまでは、時間がかかる。また、極微量で作用し、多くは自律神経系と協調して働く。

ホルモン

ホルモンの種類

ホルモンは、タンパク質、アミノ酸、ステロイドが成分となっている。ステロイド系のホルモンはコルチコイド性ホルモンだけである。タンパク質系ホルモンの殆どは親水性であり、ステロイド系ホルモンは疎水性である。ただし、チロキシンはタンパク質系ホルモンであるが疎水性である。

性ホルモン

性ホルモンhttp://www.dreamstime.com/

コルチコイド
コルチコイドhttps://en.wikipedia.org/

ステロイド

ステロイドとは、ステロイド骨格(下画像)と呼ばれる構造を持つ物質の総称である。ステロイドは殆どの生物で生合成される物質で、ホルモン類として重要な働きをする。

ステロイド骨格

https://www.studyblue.com/

 

内分泌腺と外分泌腺

ホルモンなど体内に分泌する腺を内分秘腺と呼ぶ。分泌物は血液などの体液に乗って運ばれる。

内分泌腺

https://www.studyblue.com/

一方、体外に物質を分泌する腺を外分泌腺と呼ぶ。外分泌腺は排出管と呼ばれる体外へ続く管を持っている(下画像)。外分泌腺には消化腺、汗腺、皮脂腺などがある。

自律神経系

交感神経・副交感神経

心臓の拍動、肺、胃、小腸などの内蔵、消化腺・汗腺などの無意識的な運動は自律神経によって制御されており、間脳の視床下部が中枢となっている。自律神経には交感神経副交感神経の2種類があり、活動的な時に使われるのが交感神経、リラックスしている時に使われるのが副交換神経である。

交感神経

交感神経は脊髄の腹根から出ており、器官に達する途中で神経節に入り、シナプスを形成している。交感神経の末端では神経伝達物質としてノルアドレナリンが放出される。

交感神経

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副交感神経

副交感神経は交感神経と異なり、脊髄中部からではなく、中脳、延髄、脊髄の下部から各器官へ伸びている。それぞれの副交感神経の名称は次のようになっている。

出ている部位 神経名
中脳 動眼神経
延髄 迷走神経

顔面神経

脊髄下部(仙椎) 仙椎神経

副交感神経は分布する器官の直前でシナプスを形成し、アセチルコリを放出する。

副交感神経

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動眼神経

動眼神経は運動神経としての役割も持っており、眼球の筋肉を支配し、眼球運動を司る(随意運動)。一方で、毛様体のレンズの厚みを調節させる運動、瞳孔を収縮するなどの不随意の運動も行う。

動眼神経

 http://pocketdentistry.com/

迷走神経

迷走神経は延髄から出ている神経で、体内で多数枝分かれし、複雑な経路を取り、腹腔にまで広く分布している。まるで迷走しているようなのでこの名前がつけられた。

迷走神経

 http://healthfixit.com/

顔面神経

顔面神経は延髄から出ている神経で、顔面に分布し主として表情筋の運動を支配する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/

交感神経と副交感神経の働き

基本的なイメージとしては、交感神経は活動を促進(収縮・拡張など)させ、副交感神経は活動を抑制(弛緩、収縮)するために働く。しかし、交感神経は胃のぜん動運動、排尿・排便は抑制する作用を示す。交換神経は基本的に緊張状態にある時に働くため、そのような状態の時は消化活動を抑えるのである。

交感神経 副交感神経
涙腺 促進 さらに促進
汗腺 促進 なし
立毛筋 収縮 なし
呼吸 速く浅くなる 遅く深くなる
心臓拍動 促進 抑制
血管 収縮 なし
胃・小腸の消化運動 抑制 促進
ぼうこう 弛緩 収縮
ぼうこう括約筋 収縮 弛緩
肛門括約筋 収縮 弛緩

自律神経失調症

自律神経は大脳の支配を受けないが、大脳で感じる不安などが視床下部を通して影響を与えることもある。ストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、各器官で様々な症状となって表れることもある。そのような状態を自律神経失調症と呼ぶ。

自律神経失調症

http://www.jiritsu-shinkei.com/

心臓の拍動

心臓の拍動は右心房壁にある洞房結節(ペースメーカー)によって引き起こされる。ペースメーカーの刺激は刺激伝達系という経路を通って、左右の心房と心室を規則正しく運動させている。

その拍動を強くしたり弱くしたりするのは交感神経・副交感神経の役割である。これらの中枢は延髄である。延髄は血液中の二酸化炭素濃度によって拍動調節を行う。

レーウィの実験

副交感神経から放出されるアセチルコリンが心臓拍動が抑制されることはレーウィの実験によって証明された。レーウィは心臓1(上段)に繋がる迷走神経を電気刺激すると、心臓1の拍動がゆっくりなり、しだいに心臓2(下段)の拍動も遅くなることを発見した。これは、迷走神経の末端からアセチルコリンが分泌され、液を通じて心臓2に送られるためである。

レーウィの実験

https://www.studyblue.com/