ちょっとディープな生物の世界

DNAは変化し続けなければならない-赤の女王仮説-

赤の女王仮説とは

ルイス・キャロル作の「鏡の国のアリス」の中で、アリスが走り続ける赤の女王に「なぜ走っているの?」と問いかけると、女王は「同じところに留まるには、一生懸命走り続けなければならない」と答える箇所がある。

http://riceevolution.blogspot.com/

周囲の環境が絶えず変化している中で、そこに留まり続けるためには自分も絶えず走り続ける必要があるという意味である。このことは、生物におけるDNAの変化(進化)にも当てはまり、生存し続けるためには絶えず走り続ける(変化し続ける)必要がある。生物の絶えず遺伝子的に変化していくこの特徴を「鏡の国のアリス」の赤の女王の言葉をもじって「赤の女王仮説」と名付けた。リー・ヴァン・ヴェーレンによって1973年に提唱された。

http://treethinkers.blogspot.com/

なぜ変化し続ける必要があるのか

有性生殖においては、次世代の命を生む際には雌雄のDNAがミックスされて多少の形質の変化が子どもに生じる。大腸菌などの無性生殖の生物においても、ときたまにプラスミドを交換してDNAを変化させている。

http://www.seibutsushi.net/

DNAを変化させることによって、周囲の環境の変化に対応できるということが一番の強みであろう。例えば、ジャガイモなど栄養生殖(無性生殖)で増殖させた作物などは、1つのウィルスの感染によって大被害を受けるようなことがある。

また、捕食・被食の関係においても、例えばウサギの耳など、敵の察知に有利な変化を起こしたものが生き残ってきた事実がある。生存競争においては、常に変化し続けることが求められているのである。

http://swmcoms.com/

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