軟体動物とは
次の形質が一般的な軟体動物である。しかし、進化の途上において損失したものもある。ハマグリなどの二枚貝類やタコやイカなどの頭足類がいる。
- 内骨格も外骨格もなく体は伸縮自在(「軟体動物」の名の由来)である。「イカの骨」と呼ばれるものは、貝殻の痕跡器官である。
- 体は頭部、足、胴体(内臓塊)に分かれる。
- 外套膜が体の背側にあり、内蔵を覆っている。外套膜から分泌された炭酸カルシウムの殻をもつが、退化したものもいる。
- 呼吸または換水のための櫛鰓をもつ。
- 頭足類(タコ・イカなど)は閉鎖血管系、それ以外は開放血管系を持つ。
- 嗅覚器官の嗅検器をもつ。
- 頭部にあるやすり状の摂食器官の歯舌で餌をかきとる。
- 頭部の神経環から2対の神経が伸びる 。
外套膜とは
外套膜は背側で内臓を覆う体壁である。軟体動物の多くの種では外套膜から炭酸カルシウムを分泌して貝殻を作り出している。下画像では「Shell」の下にある「Mantle」が外套膜を指している。
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タコなどの頭足類は貝殻を形成しないが、外套膜は有しており、頭部を覆っている固い膜となっている。
軟体動物の発生様式
初期の幼生はトロコフォアである。いわゆる双神経類(ヒザラガイなど)はそのまま伸長した様な形で成体になる。
貝殻亜門ではその後にベリジャー幼生という段階を持つものが多い。これは殻を持ったプランクトン型の幼生である。初期にトロコフォアを持つことは、環形動物との類縁関係を示すものと考えられている。
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幼生を経ず、直接発生する例も多く、特に淡水産のものでは卵胎生(巻貝のタニシ、カワニナ類の一部、二枚貝の一部)などもある。
軟体動物における進化
軟体動物の祖先的は外套膜から炭酸カルシウムを分泌して貝殻を持ったものが生物種であると考えられている。しかし、軟体動物においては外套膜を持っているものの貝殻を持たない生物もおり、退化したしたと考えられる。
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