線形動物の構造と生態-環形動物との違い-

線形動物の特徴

線形動物は体がクチクラに覆われており三胚葉性の生物である。大半の種は土壌や海洋中で非寄生性の生活を営んでいるが、寄生性線虫も多く存在している。地球上で最も個体数の多い動物門である。

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クチクラとは

生物体の表面を保護する堅い非細胞性の構造の総称である。植物性のものにはクチン(不飽和脂肪酸の重合した有機物質)、昆虫性のものにはキチン(多糖類)がある(下画像)。

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線形動物の構造

体は細長い糸状で触手や肢を持っていない。一部のものは体表に剛毛を持つ。基本的に無色透明である。

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神経環が食道の中央部を取り囲んでいる。はしご状神経系であり、腹側の長軸方向に神経索が走っている。はしご状神経系とは、中枢神経として体を前後に走る神経索が左右1対あり、そこに一定間隔で神経節があり、それらが左右の神経連絡によってつなぎ合わされている、という構造の神経である。

sinkeikei

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体節構造をもたず、偽体腔をもっている。空所はあるが中胚葉の裏打ちがない場合を偽体腔と呼び、真の体腔(真体腔)と区別する。下画像の左は体腔なし、真ん中は偽体腔、右は真体腔である。

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線形動物の生殖

雌雄異体で有性生殖が主である。単為生殖を行う種もある。

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線形動物を使った実験

土壌線虫の一種であるシー・エレガンス(Chaenorhabditis elegans)を用いて、受精卵が成虫に発育するまでのすべての細胞組織分化の全系譜が調べられた.1000個ほどの遺伝子をもち,初めて多細胞生物での全ゲノムの塩基配列が解読された。

環形動物との違い

一見、形状としては環形動物(ミミズ)と似ているが以下の点において大きく異なっている。

  1. 循環器官:線形動物は持っていないが、環形動物は閉鎖血管系(心臓もある)を持っている。
  2. 呼吸器官:線形動物は持っていない(皮膚でガス交換)が、環形動物にはエラを持っているものがいる。
  3. 体表:線形動物はクチクラに覆われていて固めであるが、環形動物は柔らかい。
  4. 体腔:線形動物は偽体腔(中胚葉の裏打ちがない)であるが、環形動物は真体腔(中胚葉の裏打ちがある)である。

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