アレンの法則とは
恒温動物では、寒冷地に生活するものほど、耳・尾などの突出物が短くなることが知られており、これをアレンの法則と呼ぶ。突出物が短いと、放熱量が少なくてすむ。下には、各地に住むキツネの例を示している。温かい地方ほど、耳が長くなっている。
ホッキョクギツネ(北極圏)
ホンドギツネ(日本)
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フェリックギツネ(北アフリカ)
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ベルクマンの規則とは
恒温動物では、同種であっても寒冷地に住むものほど体重が重く・大型になることが知られており、これをベルクマンの規則という。体が大きくなるにつれて、体重当たりの表面積が減少し、放熱量が減少することで、寒冷地に適応していると考えられている。
ホッキョクグマ(北極圏)
ツキノワグマ(日本)
マレーグマ(マレーシア)
体積と表面積の関係
実際に、動物を立方体に見立てて計算してみるとわかりやすい。
1辺が1mの立方体の場合
体積:1×1×1=1 m3
表面積:1×1×6=6 m2
1辺が2mの立方体の場合
体積:2×2×2=8 m3
表面積:2×2×6=24 m2
以上の計算では体積は8倍になっているのにも拘わらず、表面積は4倍の増加で済んでいる。つまり、恒温動物にとっては体積が増えるほど、体積当たりの表面積の割合が小さくなり、体温を維持するのに都合が良い。
逆ベルクマンの規則
ベルクマンのが成り立つのは恒温動物についてのみである。変温動物においては、自身で熱を維持することができないため、寒冷地では大型変温動物は生きることができず、小型化する傾向にある。これを逆ベルクマンの規則と呼ぶ。
グロージャーの規則
恒温動物では、近縁な種間においては、寒冷地に生息するものほど体色が薄くなり明るい色調になるという定説があり、これをグロージャーの規則と呼ぶ。しかし、動物全般について適応できる規則ではなく、議論が多い。