カブトガニとは?
カブトガニ(Tachypleus tridentatus)はカブトガニ科カブトガニ属に分類される節足動物です。アジアの浅い海に生息しています。
カブトガニの脳はドーナッツのようなリング状の形をしています。カブトガニの脳は口のすぐ下にあり、食道の通り道に位置しています。そのため、脳は食道を囲むようにしてリング状になっています。
カブトガニは三葉虫から進化した生物で、ジュラ紀(約1億9500万年~1億3600万年前)には現在のカブトガニと同じような姿形になり、現在までほぼ形を変えずに生き残ってきました。そのため、カブトガニは「生きた化石」とも呼ばれています。
また、カブトガニの血液が医学面でも貢献しています。カブトガニの血液は、細菌の毒素を検出するとゲル化する性質があり、一瞬で検査ができるため非常に便利なんだそうです。
1956年にBangはカブトガニの血液成分が生菌、死菌を問わずある種のグラム陽性細菌と反応してゲル化することを発見しました。1964年には細菌のエンドトキシンがカブトガニの血液を凝固させる成分であることを突き止めます。
その昔エンドトキシンの検出にはウサギを使っていました。ウサギにエンドトキシンを接種すると、発熱するという現象を利用していました(エンドトキシンは別名発熱成分、pyrogenとも呼ばれます)。しかし、これでは時間もコストもかかってしまいます。そこでカブトガニの血液の出番なわけです。
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血液採取の現場は拷問部屋そのもの。