ちょっとディープな生物の世界

マウスの併体結合実験‐レプチン遺伝子‐

マウスの併体結合実験とは

マウスには遺伝性の肥満体質を持つものが出現する。そのようなマウスの遺伝子型はob/obで表せられる(野生型はOB/OBもしくは+/+)。

https://en.wikipedia.org/

遺伝性の肥満であるマウスと通常のマウスの体を結合させ、次の実験を行なった。肥満はレプチンと呼ばれる食欲抑制ホルモンに何らかの異常が生じたために生じると考えられている。

  1. 遺伝性肥満マウスob/obと、通常マウス+/+の血管の一部を繋いだ。すると肥満マウスの食物摂取量は減少した。
  2. 遺伝性肥満マウスdb/dbと、通常マウス+/+の血管の一部を繋いだ。すると、肥満マウスの食物摂取量は減少しなかった。

レプチンとは

レプチンは脂肪組織から分泌されるホルモンであり、視床下部の受容体に作用して食欲低下を促す。脂肪組織が多い場合にはレプチンも多量に分泌されるので、通常であれば食欲は抑制される。

https://en.wikipedia.org/wiki/Leptin

結果の考察

①の実験では、ob/obの個体ではレプチンの遺伝子が欠損していたため、+/+が合成するレプチンが作用したと考えられる。

②の実験では、+/+が合成したレプチンが流入したにも拘わらず食欲が治まらなかったことから、レプチン受容体の遺伝子に異常があると考えられる。

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