マツは菌根菌と共生している
マツは菌根菌と共生する代表的な植物である。吸収根の殆どが菌根化しており、土壌栄養分の吸収は全て菌根を介して行っている。
マツ類と共生する菌根菌の中にはキノコを形成するものが多くあり、日本人にはマツタケとしてなじみ深い。
菌根菌の種類
菌根菌には外菌根と、内生菌根の2種類がある。外菌根は皮層と細胞の間に菌糸が侵入して物質のやりとりを行うが、細胞内に入ることはない。
一方、アーバスキュラー菌などは、菌糸を細胞壁の内部に侵入させる。そのため、古くは内生菌根と呼ばれていた。
なぜマツ林が減ったのか
マツは本来、菌根菌との共生によって荒れ地に耐え生育することができる植物である。しかし、先駆植物であるマツは遷移が進みにつれて広葉樹に置き換わるが常である。
これは、土壌養分が肥沃であると菌根の発達が悪くなり、全体として根の能力が衰えるということも原因としてあげられる。森が豊かになるほど、土壌病原菌と菌根菌の競争が起こり、その結果マツは衰弱していく。
以前は人の手が入ることによって、燃料として木やが切り出され、枯れ葉が集められたりなどの理由で、森が豊かになることにブレーキがかかっていた。そのため、かつてはマツ林が維持することができたのである。