アミノアシルtRNA合成酵素が結合させる
tRNAにアミノ酸を結合させる反応は酵素によってなされます。この酵素をアミノアシルtRNA合成酵素と呼びます。アミノ酸とtRNAはこの酵素によってエステル結合が作られ、アミノアシルtRNAとなります。
それぞれのアミノ酸に対応したアミノアシルtRNA合成酵素が存在しており、特定の配列を持ったtRNAとアミノ酸を結合させます。
元々はリボザイム(RNA)の働きだった
RNAワールドにおいては、tRNAとアミノ酸の結合は、酵素のような働きを持つRNA(リボザイム)が担っていたと考えられています。しかし、進化の過程において、プロテインワールドの始原生物がリボザイムの働きをタンパク質に置き換える変化が起こり、現在のようなシステムになったと言われています。
リボザイムとは
酵素活性を持つRNAのことをリボザイムと呼びます。リボザイムはRNA自身を切断したり、貼り付けたり、挿入したり、移動したりする活性・能力を持っているRNAです。tRNA、rRNA、mRNAとは異なります。
下の動画はリボザイムがRNAを切断する様子のイメージです。
RNAが酵素のような働きをすることは、生命が誕生した初期はRNAワールドであったことを示す根拠となっています。RNAワールドとは生命誕生の最も初期はRNAの働きによって生命現象が成り立っていたという説です。
また、テトラヒメナという生物は、たんぱく質を使わずリボザイムによってスプライシングを行うことが知られています(自己スプライシング)。