配位結合とは?
NH3(気)とHCl(気)を反応させると、NH4Clができます。これは、NH3の非共有電子対に、空軌道を持つ水素イオンが結合することによって、NH4+が生成され、Cl–とのイオン結合によってNH4Clが生成されるためです。
このように、一方の原子から非共有電子対が供給されることによって生じる共有結合を配位結合と呼びます。
配位結合と共有結合との違い
配位結合は共有結合と全く変わりません。結合距離、結合の強さも同じです。そのため、配位結合も共有結合の一種としてみなされています。
配位結合の書き方
化学的な性質は、配位結合と共有結合は変わりませんが、配位結合の価標は「→」で書くことがあります。この矢印の方向は、非共有電子対を与えている原子から与えられている原子に向けられます。
配位結合と錯体の形成
非共有電子対を持つ分子が、金属イオンに配位結合すると、錯体を形成します。錯体の中で電荷をもつもの(イオン)を錯イオンと呼びます。
下画像は[Cu(H2O)2(NH3)4]2+です。
オキソ酸に存在する配位結合
硫酸H2SO4においては、Sに結合するO原子2つが配位結合をしています。また、硝酸HNO3においては、Nに結合するO原子1つが配位結合をしています。