元素と原子の違い
物質を構成する基本的な成分を元素と呼びます。つまり、原子の種類を全部ひっくるめて「元素」です。元素は110種類ほどが知られています(=110種類の原子がある)。
ちなみに、110種類の元素のうち、90種類は自然界に存在するもので、それ以外は人工的に作り出されたものです。
元素記号とは?
各元素にはラテン語名からとった元素記号がつけられています。例えば、カリウムは「K」ですが、kalium(木灰)の頭文字です。元素記号=原子記号です。
同素体とは?
同一元素でできた物質(単体)を同素体と呼びます。S、C、O、Pが2種類以上の単体を持つ元素です。「スコップ」で覚えます。
S C O P = スコップ
Cの同素体
例えば、Cはダイヤモンドや黒鉛などの同素体を持ちます。しかし、どちらも結合の仕方が異なるため、性質は全く異なります。ちなみに、黒鉛を2000℃、数×109Paで保っておくとダイヤモンドになります。
Sの同素体
Sの同素体としては、斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄があります。斜方硫黄と単斜硫黄はいずれもS8の分子ですが、並び方が異なっています。ゴム状硫黄は、S原子が長く結合した物質です。単斜硫黄もゴム状硫黄も長時間放置すると、安定な斜方硫黄へと変化します。
Oの同素体
Oの同素体には酸素O2とオゾンO3があります。酸素中で放電したり、紫外線があたるとオゾンへと変化します。
Pの同素体
Pの同素体には黄リンと赤リンがあります。黄リンは淡黄色の固体で極めて有毒であり、空気中で酸化して自然発火します。赤リンは毒性はなく、発火点は260℃です。赤リンを空気に晒さずに300℃で加熱すると、リン蒸気となり、急冷すると黄リンとなります。
成分元素の調べ方
その物質が何の元素から構成されているかを調べるには、元素特有の反応を利用する方法があります。
炎色反応
いくつかの金属元素には、炎に晒すと特有の色の光を出します(炎色反応)。この光によって金属元素の有無を識別します。
水分子の確認
CuSO4(硫酸銅)は、水和物になると青色になる性質を持っています。この性質を利用し、ある物質を加熱して生じた気体を冷却し、液体にしたものを硫酸銅に触れさせることによって、水素原子が含まれていたことを確認できます。
アンモニアの検出
アンモニアNH3は塩酸HClと反応し、NH4Clを形成します。たんぱく質に水酸化ナトリウムを入れて加熱してやると、アンモニアが発生し、塩酸によってその存在を確認できます。