なぜ内陸で地震が起こるの?
プレート境界ではない内陸であっても地震は起こります。この地震をプレート内地震と呼びます。プレートの運動によって生じる圧縮力で、地殻にひずみが蓄積され、限界に達すると断層が生じ、これが地震となります。
海溝型に比べればマグニチュードは小さいのですが、生活の場そのもので起こるため、被害は大きくなります。また、海溝型に比べるとひずみの蓄積は遅いため、数千年から数万年の繰り返し周期となっています。
プレート内地震の例
日本で起きたプレート内地震として、兵庫県南部地震(1995)、北丹後地震(1927)、濃尾地震(1891)などがあります。
それぞれ断層が出現しました。
- 兵庫県南部地震:野島断層
- 北丹後地震:郷村断層
- 濃尾地震:根尾谷断層
活断層とは?
最近数十万万年の間に活動が起こり、今後も活動を起こす可能性のある断層を活断層と呼びます。活断層は繰り返し断層のズレを起こしているため、土地に上下のずれが累積されていることが多いです。また日本の活断層は同じ方向に継続して断層運動が起こっています。
大規模な活断層としては、糸魚川-静岡構造線活断層系が有名です。糸魚川-静岡構造線に沿って多くの活断層が存在しています。
糸魚川-静岡構造線とは?
糸魚川と静岡を結ぶ大断層線で地質境界を糸魚川-静岡構造線と呼びます。この線を境に日本は西南日本と東北日本に分断されます。
糸魚川-静岡構造線とフォッサマグナの違い
本州は西日本と東の日本の2つの古い地層からなります。西端は糸魚川-静岡構造線であることがわかっていますが、東端は正確なことはわかっていません。この西端と東端の間には比較的新しい地層が積もっています。この新しい地層の領域をフォッサマグナと呼びます。フォッサマグナは「面」であり、糸魚川-静岡構造線は「線」です。
リニアメントとは?
大きな地震が繰り返し起こった活断層では、土地のずれが直線状の地形となって現れます。この直線的な特徴ある地形をリニアメントと呼び、活断層を調べる指標として使います。
日本にはなぜ活断層が多いの?
日本はプレートの境界が多いため、プレート内でのひずみが累積しやすい場所です。そのため、多くの活断層が存在しています。中部地方は東西に圧縮されているため、北北西-南南東の方向の活断層と、東北東-西南西の方向の活断層が多いです。
活断層の調査からわかること:地震発生の周期
活断層の変異の累積を調べることによって、地震発生の周期を見積もることができます。例えば、変異量が1.5m/年、1回の地震の変異量が3mだと、2000年に1回の割合で地震が起こると推測できます。
トレンチ調査とは?
断層付近を掘って、断層の活動した歴史を調べることをトレンチ調査と呼びます。トレンチ調査は地震発生の周期の予測などに役立ちます。