コウイカとは?
頭足類の祖先が誕生したのは5億年前だと言われています。初期の頭足類はアンモナイトのように殻をもっていました。現在ではオウムガイなどの一部の頭足類は殻をもち続けていますが、タコやイカなどでは退化してしまっています。
殻を捨てた頭足類は、体色変化することによって身を守る術を得ました。タコやイカなどは、見事な体色変化を行います。中でもコウイカは極めてその能力が高いことで知られています。
どうやって体の色を変えるの?
コウイカの皮膚は特殊な3層からなっており、最下層は白い肉、次の層は光を反射して緑色と青色を作る層、最上層には橙、赤、黄、茶、黒の色素を含む色素胞と呼ばれる細胞が存在します。色素胞は、脳と結ばれる神経とつながっています。
コウイカには色覚が存在しない
コウイカは周囲の色彩に合わせて体色を変化しカモフラージュを行いますが、自身の目には色覚が存在しません。そのため、コウイカがどのように周囲の色を認識して体色を変化させているかは未だ謎です。
1つの参考になる実験として、タコの皮膚の実験があります。アメリカの科学者がタコの皮膚を切り取って光を当てたところ、色素胞が単独で広がったという結果が得られました。つまり、脳や目と繋がっていなくとも、色素胞単独で変化することが可能だとわかりました。コウイカも同様な原理かどうかは今後の研究で明らかになるでしょう。