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【化学】炭素の単体と化合物

炭素の単体

炭素の単体にはダイヤモンド、グラファイト、無定形炭素、フラーレンなどがあります。この他にも様々な単体は存在します。

ダイヤモンドとは?

ダイヤモンドは炭素原子が4つの他の炭素原子と共有結合しており、非常に強固なC-C結合を持っています。対称性の高い結晶構造をとっているため、非常に硬いです。

なぜダイヤモンドは熱伝導率が高いの?

ダイヤモンドは電気伝導性はありませんが、熱伝導性はアルミニウムと同じくらいあります。これは、格子(原子)が緊密な共有結合によって結ばれているため、熱による振動がすばやく伝わるためです。

なぜダイヤモンドは輝くの?

光は何もない空間を通る時の速度が一番早いです。しかし、ダイヤモンドのような強固に結びついた価電子によって生じた電場内を通る時には、これを揺らしながら通るため、速度は遅くなります。その結果、屈折率が大きくなり、また各波長によって屈折率は異なるため、色美しく輝いているように見えます。

黒鉛は炭素原子の3つの価電子が共有結合に使われ、残り1つは結晶平面を自由に動けるため、通電性があります。

無定形炭素は、黒鉛の小さな結晶が不規則に集合したものです。黒色で多孔質です。通電性があります。

黒鉛と無定形炭素の違い

黒鉛は無定形炭素を2500℃~3000℃に熱することで得ることができます。無定形炭素は黒鉛の小さな結晶が不規則に集合したものです。熱することによって、層構造を規則正しく並べることができます(無定形炭素もある程度の規則性はあります)。

活性炭とは?

活性炭も無定形炭素の1つです。活性炭はヤシ殻などを熱し、さらに高温の水蒸気をあてて表面積を大きくしたものです。1gの活性炭は1000~2000m2の表面積を持ち、吸着率が大きいため、脱臭剤として利用されます。

フラーレンとは?

フラーレンはC60、C60、C76の分子式を持つ、球状の炭素分子の総称です。

一酸化炭素COとは?

一酸化炭素は炭素の不完全燃焼で生じる物質です。空気中で点火すると青色の炎を出して燃えます。また、他の物質から酸素を奪いやすく、還元性を持っています。鉄の精錬に利用されます。

FeO3 + 3CO → 2Fe + 3CO2

一酸化炭素の生成方法

一酸化炭素は炭素の不完全燃焼で生じます。

2C + O2 → 2CO

また、二酸化炭素が高温の炭素と反応することでも生じます。

CO2 + C ⇔ 2CO

ギ酸HCOOHまたはシュウ酸(COOH)2に濃硫酸を加えて熱しても得ることができます。

HCOOH → CO + H2O

(COOH) → CO + CO2 + H2O

工業的には1000℃以上に加熱したコークスと水をを反応して得ます。

C + H2O ⇔ H2 + CO

一酸化炭素中毒の仕組み

COはO2よりもヘモグロビン中のFe2+と200倍強く配位結合します。その結果、O2が運搬されなくなり、酸欠状態となります。この状態を一酸化炭素中毒と呼びます。空気中のCO量が0.1%だと2時間、1%だと数分で死に至ります。

二酸化炭素CO2とは?

二酸化炭素は無色・無臭の気体で空気中に0/036%含まれています。水に少し溶けて炭酸となり、弱酸性を示します。

CO2 + H2O → H2CO3

固体はドライアイスと呼ばれ、-78.5℃(1×105Pa)で昇華します。昇華する際に多量の熱を周囲から奪うため、冷却剤として用いられます。

CO2を石灰水(Ca(OH)2溶液)に通じると、炭酸カルシウムが生じて白濁します。

Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O

さらにCO2を通じ続けると、炭酸水素カルシウムが生じて白濁が消えます。

CaCO3 + CO2 + H2O → Ca(HCO3)2

ドライアイスの作り方

CO2を-78.5℃まで冷却するのは非常にコストがかかります。そのため、加圧して液体にした二酸化炭素をボンベから噴出させると、多量の気化熱を吸収し、また断熱膨張によって温度が急激に下がります。その結果、二酸化炭素がドライアイスとなり、これを押し固めて私たちが通常目にするドライアイスの塊となります。

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