炭酸同化を行う細菌
炭酸同化を行う細菌には、シアノバクテリア、光合成細菌、化学合成細菌の3種類がある。光合成細菌には緑色硫黄細菌、紅色硫黄細菌が含まれる。また化学合成細菌には硫黄細菌が含まれる。それぞれ、別の炭酸同化の仕組みを持つ生物である。
光合成細菌 | 緑色硫黄細菌
紅色硫黄細菌 |
化学合成細菌 | 硫黄細菌 |
炭酸同化の仕組みの違い
光合成細菌は、名前の通り、バクテリオクロロフィルによって光エネルギーを吸収し、そのエネルギー利用して炭酸同化を行う。一方、化学合成細菌は無機物を酸化することによって得られる化学エネルギーを利用して炭酸同化を行っている。
光合成細菌 | 光エネルギー |
化学合成細菌 | 化学エネルギー |
それぞれの化学反応式は次の通りである。
光合成細菌 | バクテリオクロロフィルで光エネルギーをキャッチ
6CO2+12H2S+ 光エネルギー → C6H12O6 + 6H2O + 12S |
化学合成細菌 | H2S + O2 → 2S + 2H2O + 化学エネルギー
上記で生じた化学エネルギーでカルビンベンソン回路の反応が進む |
光合成細菌では、電子を引き抜くためにH2Sが使われる。化学合成細菌では、酸化反応によって生じた電子が電子伝達系に渡される。
緑色硫黄細菌・紅色硫黄細菌の違い
緑色硫黄細菌と紅色硫黄細菌はどちらも光合成細菌であるが、バクテリオクロロフィルの種類が異なる。下表はクロロフィルとバクテリオクロロフィルの種類と、それを持つ生物種を示したものである。紅色細菌とは紅色硫黄細菌と紅色非硫黄細菌の総称である。
名称 | 分布 | 機能 |
クロロフィルa | 陸上植物・藻類・シアノバクテリア | 反応中心・アンテナ |
クロロフィルb | 陸上植物・緑藻・ユーグレナなど | アンテナ |
クロロフィルc1, c2, c3 | ケイ藻・褐藻・クリプト藻・ハプト藻など | アンテナ |
バクテリオクロロフィルa | 紅色細菌・緑色硫黄細菌・緑色糸状性細菌 | 反応中心・アンテナ |
バクテリオクロロフィルb | 紅色細菌 | 反応中心・アンテナ |
バクテリオクロロフィルc | 緑色硫黄細菌・緑色糸状性細菌 | アンテナ |
バクテリオクロロフィルd | 緑色硫黄細菌・緑色糸状性細菌 | アンテナ |
バクテリオクロロフィルe | 緑色硫黄細菌 | アンテナ |
また、単純に色の違いがある。緑色硫黄細菌は緑色で、紅色硫黄細菌は赤色である。
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