自然に対する見方を深める絵本
photo by Sasin Tipchai
子どもが成長するには「自然との触れ合い」が非常に大切です。自然は言ってしまえば、最高の芸術作品であり、最高のツールであり、最高の教師です。人の営みも結局のところは自然の模倣や、自然の利用に行きつきます。自然には人間の力を遥かに凌駕する知恵や仕組みが備わっています。
ただ単純に自然の中で遊ぶことにも意味があるでしょう。しかし、自然に対してもう一歩踏み込んだ見方を子どもたちに提供できたならば、さらに遊ぶことが楽しくなるのではないでしょうか。今回はそんな子供たちの視野を広げる絵本をご紹介します。
ファーブル昆虫記の虫たち
傑作中の傑作。緻密な昆虫の絵が、自然への愛を感じさせる。
地面の下のいきもの
またしても細かな描写の絵で、見えない地下の世界を描き出す。想像力が刺激される絵本。
夏の虫 夏の花
この絵もまさに生物スケッチ的なタッチの絵で細密。それぞれの動物に名称がついているのが良い。
道ばたの四季
四季折々の変化を美しい水彩画と共に味わうことができる。これもそれぞれ動物・植物の名称がついているため、勉強になる。
木の本
木の幹や芽、花や葉っぱや種子などが綺麗で丁寧な絵で描かれている。こういうスケッチ画の良い所は、描き手がしっかりと特徴を意図して書いているところだろう。見ているだけで、その木の特徴がわかる。
生物の消えた島
100年前、大噴火によって生物が死に絶えたクラカタウ島。やがてその島に生物が移住してきた。島が「生き返る」壮大なストーリー。
仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界
ヒトの視覚と動物の視覚はもちろん違う。動物だったらどう見ているのかを再現しようとした絵本。生物世界の多元性に気づかされる一冊。
たねがとぶ
植物がどのように種を飛ばして分布を広げていくのか、それだけのことにも計り知れない生物の知恵がある。
雑草のくらし
何気ない雑草の生き方の力強さ、自然さが感じられる名作。
びっくりまつぼっくり
子どもなら誰でも拾う松ぼっくりの不思議さに注目した一冊。こういう日常の不思議さが子どもの興味を掻き立てる。
どんぐり
どんぐりの一生に注目した絵本。どんぐりに関わるリスなどの小動物の働きも描かれている。自然のサイクルを感じる一冊である。
ぼく、だんごむし
ダンゴムシは自然界の掃除屋さんである。落ち葉などを食べて糞として排出している。そんな自然を支えるダンゴムシの生態を柔らかい絵で描いている。
みんなうんち
「いきものは たべるから みんな うんちをするんだね」、そんな当たり前は、子どもにとっては当たり前ではない。
おなら
「肉食動物のおならは臭く、草食動物のおならはそんなに臭くない」、子どもはおならが好きです。
アリから見ると
「アリから見たらどう見えるのか」、それを写真で表現した絵本。どんな昆虫もアリから見たら巨大生物である。
しっぽのはたらき
様々な生物は、色々な形のしっぽを持っているが、それぞれ機能が異なっている。多くの気づきが与えられる一冊。
かぶとむしは、どこ?
子どもが大好きなかぶとむしの一生を描いた一冊。カブトムシ探しもしっかりとした知識を学びながら。
ぞうきばやしのすもうたいかい
子どもが大好きなカブトムシも登場する絵本。ぞうきばやしでは、樹液を巡って闘いが行われている。そこに住む生物にとっては、必死の戦い。
ざりがに
子どもが好きな水中生物ザリガニの生態が、力強くかつ緻密な絵で説明されている。絵の迫力がすごい。
ホネホネどうぶつえん
それぞれの骨が表情を持っているかのような、骨のみの動物園。動物の骨格には驚かされることばかり。
どうぶつのおかあさん
どうぶつの母親が、どのように子どもを運ぶのかを描いた一冊。色々な方法で大事に子どもを運んでいる。
稲と日本人
「稲と私たち日本人は、動物と植物というかけはなれた間柄ではなく、生死をともに生きぬいた、かけがえのない仲間同士なのです。」、米を大事に食べようと思わされる一冊。