A:トレハロース(糖)を水分の代わりに蓄積しているから
ネムリユスリカはアフリカの半乾燥地帯に生息する生物で、乾季になると体から完全に水分が抜けきり仮死状態になることがわかっています。仮死状態中は代謝活動を全く行わず、半永久的に生きていられます。このような休眠はクリプトビオシスと呼ばれており、17年間の休眠から蘇生された例もあります。
ネムリユスリカは乾燥を察知すると体内でトレハロースを蓄積していきます。トレハロースとは昆虫でいうところの血糖です。
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このトレハロースの役割は2つあります。1つは、トレハロースが細胞膜やタンパク質の表面に水素結合することによって水の代わりの役割をし構造を保護するというもの、もう1つはトレハロース水溶液が脱水してガラス化して細胞膜やタンパク質を保護するというものです。
また、他のタンパク質の乾燥時における凝集を抑制する働きを持つLEAタンパク質やDNA修復酵素が準備されていることなども仮死状態を維持するために重要な因子となっています。