隔膜法とは?
水酸化ナトリウムはNaCl水溶液を電気分解することによって得られます。
陰極:2H2O + 2e– → H2 + 2OH–
陽極:2Cl– → Cl2 + 2e–
生成されたNaOHとCl2の混合を防ぐために石綿などで作った膜で仕切るため、隔膜法と呼ばれます。
隔膜法ではなぜ隔膜が必要なの?
隔膜ながなければ、NaOHとCl2が混ざり、次の反応が起こってしまいます。
2NaOH + Cl2 → NaCl + NaClO + H2O
水銀法とは?
陰極に水銀Hg、陽極に炭素を用いて電気分解してNaOHを生成する方法を水銀法と呼びます。
陰極ではHg上ではH+の還元反応は起こりづらく、Na+の還元が起こります。
Na+ + e– → Na
生成されたNaはHgとの合金(アマルガム)を作ります。このアマルガムと黒鉛を接触させながら水と反応させるとNaOHを得られます。
2Na + 2H2O → 2NaOH +H2↑
水銀法は廃液にHgが混ざり、水銀汚染を引き起こすことから日本では行われなくなりました。
イオン交換膜法
陽イオンだけを通す特殊な膜を用いて、NaCl水溶液からNa+を水の容器に移動させる方法をイオン交換膜法と呼びます。
Na+ Cl– H+ OH– |イオン交換膜| H+ OH–
下のようにNa+が移動し、NaOHが生成されます。
Cl– H+ OH– |イオン交換膜| H+ OH– Na+