ちょっとディープな生物の世界

なぜゾウリムシの小核は減数分裂するの?

他の個体の小核と接合して遺伝子の多様性を確保するため

原生生物のゾウリムシは単細胞生物であり、細胞分裂によって個体数が増えます。1日に2~3回分裂し、700回ほど分裂するとそれ以上分裂できなくなり死亡します(遺伝子的なストッパーがかかる)

ゾウリムシは時折、他の固体と接合(交尾)し、減数分裂した小核を交換します。小核が融合(接合)すると、古い大核を破棄し、新しい接合子から小核と大核が作り出されます。

こうして小核・大核共に遺伝子が新しくなり、その個体は細胞分裂を継続することができるようになります。

すると2つの細胞内で、元からあった配偶核(静止核)と新たに受け取った配偶核(移動核)とが融合する。つまり、それぞれの細胞は遺伝的に同一な2つの接合子ゲノムを持つようになるのである。その後2つの細胞が分離すると、親が持っていた古い大核(旧大核)は廃棄され、それぞれの細胞に固有の細胞質内で、接合子ゲノムから新たな体細胞ゲノムと生殖細胞系列ゲノムが作られる。

nature ダイジェスト

遺伝子の多様性を保つために接合しないと分裂が止まるような仕組みが出来上がっているんだね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です