DNAやRNAよりもタンパク質が先
生命が誕生するにあたり、初めてできたのはDNAなのかRNAなのか、はたまたタンパク質なのかという議論がなされています。現在ではRNAが先にできた「RNAワールド」がひとまず受け入れられていますが(DNAワールドも否定されたわけではないです)、奈良女子大学の池原健二氏は「タンパク質ワールド仮説」つまり「GADV仮説」を提唱しています。
GADVは、それぞれがグリシン、アラニン、アスパラギン酸、パリンの4種類のアミノ酸の略記号から取っています。これらのアミノ酸は単純な構造をしており、無機物から作ることが容易です。
池原氏は、初めにGADVが結合したペプチドが作られ、それがさらに重合してGADVタンパク質が作られたのではないかと主張しています。さらに池原氏は、GADVタンパク質は疑似複成をする機能を持っているといいます。GADVタンパク質が疑似複成を繰り返す中で、RNAのような分子が現れ、現在の遺伝子コードのような形になっていたのではないかと推測しています。