ヘクソカズラとは?
ヘクソカズラはアカネ科であり、茎が木化するつる性雑草です。ヘクソカズラは葉や果実をつぶすと大便のようなにおいがすると言われていますが、大便ほど臭くはありません。
なぜ臭いの?
ヘクソカズラの臭いの正体はメチルメルカプタン(メタンチオールCH3SH)と呼ばれる物質です。この物質は腐った玉ねぎや、口臭などからも発せられています。青カビチーズにも微量に含まれており、特有の香りづけを行います。また、スカンクのおならの成分は、ブチルメルカプタン(CH3)3CSHであり、メチルメルカプタンとよく似た物質です。
ヘクソカズラはメチルメルカプタンの前駆体であるペデロサイドと呼ばれる物質を持っており、これが酵素によって分解されてメチルメルカプタンとなります。
ヘクソカズラが悪臭を持つようになった理由は、昆虫や他の植物から身を守るためだと考えられています。このような作用をアレロパシーと呼びます。ペデロサイドには植物生育阻害活性があることがわかっています。また、メチルメルカプタンは昆虫や動物が忌避する効果があります。
ヘクソカズラを食べる動物はいないの?
殆どの昆虫や動物はヘクソカズラを避けますが、ホシホウジャクという蛾の幼虫はヘクソカズラを好んで食べます。ホシホウジャクはヘクソカズラの毒を解毒できるように進化したと考えられています。