倍数性・倍数体
染色体の数が、その種の基本数の整数倍になっている性質を倍数性と呼びます。倍数性の性質を持つ個体を倍数体と呼びます。倍数性は性質であり、倍数体は具体的な個体です。また、この染色体の基本数のことを「n」と表現します。
一般に受精して生まれる生物は倍数性です。例えば、人は46本の染色体を持っていますが、染色体の種類は23種類しかありません。同じ種類のものを2本ずつ持っています。
23種類 × 2 = 46本
上の式をしっかりと書くと2n = 46と書きます。
この23種類は、父親からも母親からももらいます。そのため×2となります。結果、受精して誕生した個体は、人の染色体の基本数23本×2なので、倍数体です。基本の数の2倍なので、2倍体と呼ばれます。また、2倍体を基準とする生物が多いことから、1倍体の生物は半数体と呼ばれます。
2倍体以外の倍数体
自然界には2倍体以外の生物もいます。例えば、パンコムギの祖先となる種は2n=14で14本の染色体を持つ2倍体でしたが、交雑によって2n=28の28本の染色体を持つマカロニコムギ(4倍体)が生まれました。通常の交雑では、このように染色体の数が増えることはありませんが、稀にこのような個体が生まれることがあります。マカロニコムギは現在でも栽培されています。
また、マカロニコムギ(28本)と、タルホコムギ(14本)を掛け合わせ、偶然染色体を取り込んだ個体が、パンコムギ(42本)、つまり6倍体となりました。
異数体・異数性
全体の染色体の数が、その種の固有の染色体数よりも多いor少ない場合、その性質を異数性と呼び、異数性を持つ個体を異数体と呼びます。人の染色体の基本数は、2n=46です。しかし、中には2n=47、2n=45などの染色体数を方もいらっしゃいます。
異数性の場合、発生が上手くいかずに流産となってしまったり、生まれてきても障がいを持つ場合もあります。
ヒトの異数体の例まとめ一覧まとめ
次のようにまとめられます。
- 倍数性:基本の染色体の数が2倍・3倍となっている。例:人の場合は23本×2=46本
- 異数性:全体の染色体の数が多いor少ない例:ヒトで染色体が45本しかない。
倍数体・異数体の違いは以下の通りです。
- 倍数体:倍数性を持った個体
- 異数体:異数性を持った個体