ちょっとディープな生物の世界

先カンブリア時代-地球の誕生からエディアカラ生物群の誕生まで-

先カンブリア時代

46億年前~5.41億年前のカンブリア紀に入る以前の地質時代を先カンブリア時代と呼ぶ。つまり、冥王代、太古代、原生代を含む時代である。

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地球の誕生

初期の地球は小惑星同士の衝突によって放出される熱エネルギーによって灼熱状態であり、岩石が溶けたマグマオーシャンに覆われていたと考えられている。

マグマオーシャンの中では、鉄などの密度が高い金属原子が中心部へと進んで行き核を形成した。一方、ケイ酸塩などの密度が小さい成分は外側に浮き上がり、マントルを形成した。

月の誕生

惑星の衝突によって地球の一部が宇宙空間に放出されたものが月であると考えられている。この説をジャイアントインパクト説と呼ぶ。

海の形成

地球の温度が下がっていくと、大気中の水蒸気が雨となって降り注ぎ、海を形成した。二酸化炭素は海水に溶けて沈殿していき、大気中の成分は窒素が主となった。

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最古の岩石

42億年前に形成されたとされる変成岩がカナダで見つかっており、最古の岩石と考えられている。

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最古の生物の誕生

また、35億年前と推定される原核生物の化石がオーストラリアで発見された。また、38億年前に形成されたとされる炭素層は、同位体組成から生命起源のものであると考えられており、少なくとも38億年前に生命が存在していたと考えられている。

saikonokaseki

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ちなみに真核生物はアメリカ・ミシガン州の21億年前の地層から化石が発見されている。

真核生物

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光合成生物の誕生

シアノバクテリアが堆積して形成された化石としてストロマトライトと呼ばれるものがある。この化石を分析してみると最古のもので27億年前であることがわかった。

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光合成と縞状鉄鉱層の形成

光合成によって生成された酸素は海水中の鉄と反応して沈殿し、地層に酸化鉄層が形成された。酸化鉄を含む層と石英を含む層が交互に現れて縞状の模様を作っており、これを縞状鉄鉱層と呼ぶ。酸化鉄を含む層では光合成が行なわれ、石英を含む層では全球凍結などによって光合成が止まっていたと考えられている。

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全球凍結

22億年前、7億年前、6.5億年には、地球全体が凍る全球凍結が起こったと考えられている。その証拠として、赤道域まで分布する氷河堆積物、氷河堆積物を覆う炭酸塩岩(キャップカーボネート)、光合成停止を示す炭素同位体、マンガン鉱床縞状鉄鉱床などがある。

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マンガンは酸化還元電位が非常に高い物質で、その酸化は分子状の酸素によってのみ可能である。全休凍結中には酸素は薄いが、全球凍結後には光合成によって酸素の上昇が起こるため、マンガン鉱床は全球凍結後に生じたと考えられる。

キャップカーボネートとは

温暖化が進み氷床が消滅することで、大量の二酸化炭素が一気に海洋に溶け込んで炭酸塩を生成し、これが海底に沈殿したと考えられており、炭酸塩の沈殿槽をキャップカーボネートと呼ぶ。

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全球凍結が始まると簡単には回復せず、徐々に火山から放出される二酸化炭素ガスによって温室効果が高まり、氷河が溶けたと考えられている。

全球凍結の原因としては、シアノバクテリアの光合成によって二酸化炭素が減少し、温室効果がなくなってしまったことが考えられている。しかし、全球凍結後にはエディアカラ生物群などの登場があり、生存が困難な状況において爆発的な進化が起こったと考えられる。

エディアカラ生物群の誕生

5.5億年前の地層から世界各地で見つかった化石群をエディアカラ生物群と呼ぶ。扁平で体の大きいものが覆い。クラゲやイソギンチャクに似た生物、巣ぷり義名やディッキンソニアなどが見られる。

エディアカラ生物群

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