ちょっとディープな生物の世界

吸収スペクトルと作用スペクトルの違い

吸収スペクトル・作用スペクトルとは

光合成色素などの物質がどの波長の光を吸収しやすいのかを示したグラフを吸収スペクトルと言う。縦軸は吸光度(吸収率)である。

一方、緑葉などに光を当ててどの波長の光が光合成に有効であるかを示したグラフを作用スペクトルと言う。縦軸は光合成の効率(光合成速度)である。

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このグラフから何がわかるの?

吸収スペクトルは赤と青で吸光度が高く緑は低い。同様に作用スペクトルでも青と赤で光合成効率が高く緑が低くなっている。このことから、光合成色素の吸光度が光合成の効率に関わっていることがわかる。

作用スペクトルでは緑色はそこまで低くないけれど?

グラフをよく観察すると吸収スペクトルは緑色でかなり低い値なのに対し、作用スペクトルではそこまで低い値ではない。実は緑色の光は吸収こそされにくいが、葉の中を何度も反射するうちに吸収されて光合成にしっかりと使われているのである。

第一に、クロロフィルが緑色の光を吸収しづらいといっても、全く吸収しないわけではありません。実際には、葉の中では、光が何度も反射するようになっていますから、その間に徐々に緑色の光も吸収されて、結局厚い葉などでは緑色の光でも8割程度は光合成に使われます。あくまで、赤や青の光に比べて多少効率が悪い、というだけで、緑色の光では光合成が進行しないというわけではありません。

http://www.photosynthesis.jp/

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