多地域進化説とは
多地域進化説とは、人類が初期の段階(ホモサピエンス以前)に地球上に広がり、それぞれの地域で進化を遂げ、ホモサピエンスとなったという説です。つまり、北京原人やジャワ原人などはアジア人の祖先であり、ネアンデルタール人はヨーロッパ人の祖先であるとしています。
ミルフォード・ウォルポフは、ある程度の遺伝子流動があればヨーロッパとアジアの異なる地域で並行的に現生人類の進化が可能であったろうと主張しました。現在の定説としては否定されています。
出アフリカ説(アフリカ単一起源説)とは
北京原人やジャワ原人、ネアンデルタール人はそれぞれ絶滅し、アフリカで発祥したホモサピエンスが地球上に広がり、現在の人種へと分化したという説です。
地球上の人間はかなり類似した遺伝子を持っていることも、アフリカの少数のグループがホモサピエンスの祖先であるとの考えの根拠となっています。ミトコンドリアDNA解析の結果からも、アフリカから人類が発祥したことが示されました。
下画像はミトコンドリアDNAから推定した人類伝播ルートです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/
多地域進化説と出アフリカ説の違い
多地域進化説はホモサピエンス以前の人類がそれぞれの地域で進化しホモサピエンスになったという説、出アフリカ説はホモサピエンスがアフリカから広がり、それ以前の人類と置き換わったという説です。
アジア人を例に考えると次のようになります。
多地域進化説 | 北京原人・ジャワ原人がアジア人(ホモサピエンス)の祖先 |
出アフリカ説 | アフリカから出たホモサピエンスがアジア人の祖先 |
現在では出アフリカ説が定説となっています。