バイオームとは
バイオーム(生物群系)は、その地域の特長ある植物・動物などの生物集団のことを指す。バイオームは植物によって特徴づけられる。日本に関係するバイオームとして、亜熱帯多雨林、照葉樹林、夏緑樹林、針葉樹林がある。それぞれのバイオームに代表する植物は次の通りである。
亜熱帯多雨林:ビロウ、ヘゴ、ソテツ
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ビロウ
照葉樹林:シイ、カシ、クスノキ、タブノキ
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カシ
夏緑樹林:ブナ、ミズナラ、クリ
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ミズナラ
針葉樹林:エゾマツ、トドマツ
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トドマツ
日本のバイオームの水平分布
南から北にかけてバイオームがどのように分布しているかを示したものをバイオームの水平分布と呼ぶ。日本の場合、南から亜熱帯多雨林→照葉樹林→夏緑樹林→針葉樹林と分布している。
- 亜熱帯多雨林:沖縄など
- 照葉樹林:九州、四国、本州の関東以西
- 夏緑樹林:東北~北海道南部
- 針葉樹林:北海道東北部
日本のバイオームの垂直分布
本州中部地方の山岳地帯では、丘陵帯(低地帯)、山地帯(低山帯)、亜高山帯、高山帯の4つに分けられる。それぞれの高さでバイオームがどのように分布しているかを示したものをバイオームの垂直分布と呼ぶ。分布は次の図の通りである。
なお、中部地方では2500m以上では森林が形成されないため、この境を森林限界と呼んでいる。高山帯ではハイマツなどの低木やコマクサなどの高山植物が生育し、登山者にとっては見晴らしの良い景色となっている。
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ハイマツ