ちょっとディープな生物の世界

2015年生物センター試験(改)第4問

第4問 問1

同じ面積の畑をいくつか用意し、ダイズの種子を密度を変えて撒いた。この時、個体の成長と、個体群全体の重量の関係について、次の空欄を埋めよ。

個体群密度の高い畑は、個体群密度と比べてその成長は(A大きい、小さい、変わらない)。個体群全体の重量は、個体群密度が(B、高い方が大きい、小さい方が大きい、大きい小さいに拘わらず一定)である。

問1 解答&解説

A:小さい、B:大きい小さいに拘わらず一定

最終収量一定の法則により、最終的な単位面積あたりの収量は密度に拘わらず等しくなる。それは、密度が高ければ成長が小さくなり、密度が低ければ成長が大きくなるためである。

第4問 問2

次の曲線は様々な生物の生存曲線を示している。左側のグラフは縦軸を対数で表現しているものである。A、B、Cに当てはまる文章を下記から全て選べ。

  1. A型の生存曲線は、死亡率が低いほ乳類に見られる。
  2. B型の生存曲線は、死亡個体数が一定の生物種に見られる。
  3. C型の生存曲線は、魚類など多くの卵を産む種に多い。
  4. 生存曲線がどのような型になるかは、親の保護による影響が大きい。親が子を幼齢時に保護している場合は、A型になりやすい。

問2 解答&解説

1、3、4

左表は対数目盛であることに注意すること。B型は、一定の個体数で減少しているわけではなく、一定の率で減少している。1000→(―900)→100→(-90)→10というように。「死亡率」ならば、2も正解であるが、2は「個体数」のため間違いである。

ちなみに、Aは大型哺乳類、ヒトなど、Bは鳥類、爬虫類、ヒドラなど、Cは魚類、無脊椎動物である。

第4問 問3

次の表1・2はある生物種1000個体を追跡して得られた年齢と生存個体数のデータである。生物①と②の生存曲線の型を、問2のグラフを参考にして答えよ。

生物①

年齢 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
生存

個体数

1000 500 250 125 62 30 15 7 3 2 1

生物②

年齢 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
生存

個体数

1000 900 810 729 657 500 450 200 100 1 0

問3 解答&解説

生物①:B、生物②:A

それぞれの生存率を見ていくと、生物①では50%ずつ減少していく。一定の率で死亡していくのは、B型である。また、生物②では、10%ずつ減少していっていたのが、最後に一気に50%以上減少していく。つまり、幼齢期に死亡率が低く、晩年に死亡率が高いのはA型である。

第4問 問4

次の文章の空欄を埋めよ。

より長い口吻を持つ虫は、花筒の奥の蜜を吸いやすい。そのため、生存に有利である。しかし、一方で、植物にとっては、口吻よりも(A長いor短い)花筒では蜜が吸われやすく、虫の体にも花粉が(B付きやすい、付きづらい)。そのため、繁殖において(C有利、不利)であり、結果として花筒も長くなる傾向にある。このような異なる種間における相互作用によって起こる進化を(D)と呼ぶ。

問4 解答&解説

A:短い、B:付きづらい、C:不利、D:共進化

蛾の口吻と蘭の関係はとても有名。

共進化

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