自然選択
集団の個体で、有利な形質を持つものが次世代に子孫を多く残すことを自然選択と呼ぶ。自然選択によって遺伝子頻度が変化する。
選択圧
自然選択を引き起こす要因を選択圧と呼ぶ。温度、降水量、光、種内競争、配偶相手、捕食者などが選択圧となる。
適応進化
自然選択を経て、環境に適応した個体が残る現象を適応進化と呼ぶ。適応進化には、擬態、工業暗化、共進化、性選択、適応放散、収束進化などがある。
擬態
風景や他の生物に姿を似せるように形を変化させた進化である。
工業暗化
工業の発展により、スモッグが街を覆うようになると、オオシモフリエダシャクというガの暗色型が増加した。明色型は鳥に捕食されやすくなったためである。
共進化
異なる生物同士がお互いに影響しあって進化を促す現象を共進化と呼ぶ。
マダガスカル島に生息するアングレカム・セスキペダレ(蘭の一種)は距の長さが30cm以上あり、通常の虫は距の蜜に到達することができない。距とは植物において蜜腺が存在する筒状の構造の名称である。
この蜜を吸うことができるのはキサントパンスズメガと呼ばれる蛾で、非常に長い口器を持っている。この蛾のみが蜜を吸えることによって、蛾は安定的に蜜にありつけ、蘭も安定的に蛾に花粉を運んでもらうことができる。お互いの利益が重なりあって、距の口器が長くなる進化(共進化)が促進されたと考えられている。
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驚異的な距(きょ)の長さを持つアングレカム・セスキペダレの映像
性選択
同性間や異性間での選択圧による進化を性選択と呼ぶ。例えば、孔雀の尾は生存には不利だが、メスの気を引くものとなっている。
適応放散
共通の祖先を持つ生物種が、様々な種に分かれる現象。有袋類など。
収束進化
類似した環境で進化した別の生物種が、しだい形質が似てくる現象。