ヒトのMHCをHLAと呼ぶたけで違いはない
ややこしいのですが、ヒトにおいてMHCとHLAに違いはありません。ヒトのMHCのことをHLAと呼びます。
当初、HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)が発見された時には白血球のみに存在すると考えられていました。つまり、HLAは白血球の特有の抗原であり、全ての細胞で発現するMHC(主要組織適合性複合体)とは区別されるものでした。
しかし、研究が進むにつれてHLAは白血球の抗原だけではなく、全ての細胞に存在する抗原であると認識され、HLAはMHCであることが判明しました。しかし、発見当時の名残から、ヒトのMHCはHLAと呼び続けています。
MHC(HLA)の役割
移植された細胞を非自己とみなしてキラーT細胞などが攻撃する反応を拒絶反応と呼びます。この自己と非自己を見分けるのに、MHCが使われます。
MHCは個体ごとに異なり、細胞表面にある主要組織適合抗原(MHC)が適合しなければ移植することはできません。通常、MHCが完全に一致することは確率的に難しいので、免疫抑制剤を投与して移植臓器への攻撃を抑える処置がされます。