興奮の伝導・伝達時間の計算

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神経筋標本を使った実験

図のように神経が筋肉と繋がったまま取り出した標本を神経筋標本と呼ぶ。

この神経に閾値以上の刺激を加えると、活動電位(興奮)が発生し、興奮が伝導する。神経末端ではシナプスから筋肉(神経筋接合部)への伝達が行われる。その後、しばらくしてから(数ミリ秒)、筋肉の収縮が始まる。以上のことをまとめると、筋収縮には次の3つの区切りがあることがわかる。

  1. 神経繊維を興奮が伝導する時間
  2. シナプスから筋肉へ興奮を伝達する時間
  3. 刺激を受けた筋肉が収縮までに要する時間

伝導時間の計算

伝導時間の計算は異なる二点を刺激することによって計算することができる。神経のA点(筋肉から5mm離れた位置)と、B点(筋肉から15mm離れた位置)に刺激を与えた。

すると次の結果が得られた。

  1. A点に刺激を与えた場合は、0.5ミリ秒後に筋収縮が起こった。
  2. B点を刺激した場合には0.7ミリ秒後に筋収縮を起こった。

考え方

5mm離れたA点を刺激した際に、0.5ミリ秒後に筋収縮が起こったからと言って、「5mm ÷ 0.5ミリ秒」の計算をしてはならない。前述した通り、この0.5ミリ秒の中には、次の3つの時間全てが含まれているからである。

  1. 神経繊維を興奮が伝導する時間(①)
  2. シナプスから筋肉へ興奮を伝達する時間(②)
  3. 刺激を受けた筋肉が収縮までに要する時間(③)

よって次のように考えることができる。

A点を刺激した場合:0.5ミリ秒 = 5mmを伝導する時間+②+③・・・(A式)

B点を刺激した際も同様に考えることができる。

B点を刺激した場合:0.7ミリ秒 = 15mmを伝導する時間+②+③・・・(B式)

B式からA式を引いてみると次の式が得られる。

0.2ミリ秒 = 10mmを伝導する時間

よって、伝導速度は次のようになる。

10mm / 0.2ミリ秒 = 50mm/ミリ秒

つまり、伝導速度を求めるためには、2点を刺激して、2点間の距離を、2点を刺激した際の反応の時間差で割れば良いといことである。

伝導速度 = 2点間の距離 / 反応時間の差

伝達にかかる時間を求める

上記と同じ問題の場合、どのようにして伝達にかかる時間を求めれば良いだろうか。このままでは求めることができないので、問題文には次のような実験が追加される。

直接筋肉を刺激すると0.3ミリ秒後に筋肉が収縮した。

直接筋肉を刺激して筋肉が収縮するまでに要した時間は次の3つの時間のうち、③に値する。

  1. 神経繊維を興奮が伝導する時間(①)
  2. シナプスから筋肉へ興奮を伝達する時間(②)
  3. 刺激を受けた筋肉が収縮までに要する時間(③)

A点の場合で考えてみよう。上記の①の時間については、先程の問題より伝導速度は50mm/ミリ秒とわかっているので、A点から筋肉まで5mmあるから、所要時間は0.1ミリ秒である。

①は0.1ミリ秒、③は0.3ミリ秒、全体の時間は先程の問題文より0.5ミリ秒なので、②の時間は次のようになる。

②の時間 = 0.5ミリ秒 – 0.1ミリ秒 – 0.3ミリ秒

②の時間 = 0.1ミリ秒

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