ちょっとディープな生物の世界

シナプスの伝達

シナプスの構造

神経細胞のシナプスは、他の神経細胞の棘突起に繋がっている。シナプスと棘突起の間にはごく僅かな隙間が空いてあり、この隙間をシナプス間隙(かんげき)と呼ぶ。

伝達の仕組み

神経細胞の興奮がシナプスまで伝わると、電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンが細胞内に流入する。これがシグナルとなり、シナプス小胞が細胞膜と融合し、シナプス間隙に神経伝達物質が放出される。神経伝達物質はシナプス後細胞の受容器に結合すると、シナプス後細胞での興奮を引き起こす。このように、神経伝達物質によって興奮を伝達する仕組みを、興奮の伝達と呼ぶ。

興奮の伝達は、興奮性抑制性の2種類がある。神経伝達物質の種類は100種類以上あり、これを使い分けて精神を構成している。

シナプスの間の隙間では、電気信号で送られてきた情報の量に応じて神経伝達物質がこの隙間に送り出され、次の神経の受け取る側に渡されることで、情報が伝わっていきます。

このとき電気信号が神経伝達物質に変わることで、情報の信号を強めたり、さらに情報が細かく分かれて伝わるはたらきが生じるのです。

うつ病のときには、この神経伝達物質に異変が起きていると考えられています。

現在、神経伝達物質は100種類以上も存在するといわれていて、そのうち約60種類が発見されています。なかでも、うつ病の治療ではセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンという3種類が重要視されています。

これらの神経伝達物質がバランス良くはたらくことにより、脳の機能は健全に保たれるのですが、うつ病では過剰なストレスや過労などが引き金となって、これらの物質が減少して喜怒哀楽のコントロールが出来なくなって起こると考えられています。

http://utsu.ne.jp/

興奮性シナプス後電位

興奮性の神経伝達物質であるアセチルコリングルタミン酸などが放出された時に生じる活動電位である。次のような仕組みで生じる。アセチルコリンは副交感神経の神経伝達物質でもある。

  1. 興奮がシナプスに伝わる。
  2. 電位依存性カルシウムチャネルが開く。
  3. カルシウムイオンの流入が刺激となり、シナプス小胞が神経伝達物質を放出する。
  4. 神経伝達物質が、シナプス後細胞の伝達物質依存性イオンチャネルに結合する。
  5. ナトリウムチャネルが開き、活動電位が起こる。

https://bsd.neuroinf.jp/wiki/

抑制性シナプス後電位

抑制性の神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)グリシンなどがシナプスから放出されると、電位依存性塩素チャネルが開き、Cl(塩化物イオン)が細胞内に流入する。すると、細胞内の膜電位がさらに負(マイナス)になり、活動電位の発生が起こりづらくなる。

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