被子植物の配偶子形成
被子植物は雄性配偶子である花粉と、雌性配偶子である卵細胞が形成される。卵細胞形成の際には、栄養分を蓄える胚のうも作られるのが特徴である。
花粉の形成
- 花粉母細胞(2n)が減数分裂し、花粉四分子(n)となる。
- 花粉四分子(n)は体細胞分裂し、雄原細胞(n)と花粉管核(n)となる。
- 雄原細胞(n)はさらに体細胞分裂し、精細胞(n)×2となる。
- 精細胞(n)は受精するための精核(n)をそれぞれ1つずつ持っている。
精細胞
卵細胞と中央細胞と受精するため精細胞は2つある。これを重複受精と呼ぶが、重複受精をするのは被子植物のみ。
Aが精細胞核、Bが精細胞膜表面、CがAとBを合わせたもの。http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/tokushu/detail/289
花粉管
柱頭から胚のうまで距離があるため、花粉管を伸ばして精細胞を送る。
胚のうの形成
- 胚のう母細胞(2n)が減数分裂し、胚のう細胞(n)とその他の細胞(n)×3となる。
- 胚のう母細胞以外は退化する。
- 胚のう母細胞で核分裂が起き、8個の核が生じる。
- それぞれが細胞膜でしきられ、反足細胞(n)×3、中央細胞(n+n(核が2つある))、助細胞(n)×2、卵細胞(n)となる。それぞれを全て合わせて胚のうと呼ぶ。
下:胚のう形成。右端のオレンジ色が反足細胞、青色が中央細胞の核、赤色の中央が卵細胞、赤色の残りが助細胞http://www.biosci.ohio-state.edu
反足細胞
胚のうに養分を供給する役割があるかもしれないとされているが、よくわかっていない。発生に伴い消失する。
左にある3つの細胞が反足細胞http://plantphys.info/plant_biology/labaids/flowerlab/
中央細胞
精細胞と受精して胚乳(3n)となる。核が2つあるのが特徴。
真ん中の楕円の細胞が中央細胞。中に助細胞(左)、卵細胞(左)、反足細胞(右)も埋まっている。http://www.iasprr.org/old/iasprr-pix/lily/female.shtml
助細胞
花粉管を誘導する物質を放出する。
卵細胞
精細胞と受精して胚になる。
裸子植物の配偶子形成
裸子植物の一部(イチョウやソテツ)は精細胞の代わりに精子を形成する。