ちょっとディープな生物の世界

生体内の糖まとめ‐単糖・二糖・多糖類‐

単糖類

グルコース(ブドウ糖)

一般的な呼吸基質として有名である。ブドウや果実に多く存在する。

フルクトース(果糖)

強い甘みを持つ単糖である。ハチミツ、木に成る果実、ベリー類、メロン、ある種の根菜に多量に含まれ、精液にも微量に含まれている。アルコール発酵の基質となり、酵母などによってエタノールと二酸化炭素に分解される(解糖系の途中産物にフルクトースが含まれている)。

ガラクトース

牛乳に含まれているラクトースを加水分解して得られる単糖である。ヒトの体内でも合成され各組織で糖脂質や糖タンパク質の一部を形成する。

デオキシリボース

DNAを構成する単糖である。

リボース

RNAやATPを構成する単糖である。

二糖類

マルトース(麦芽糖) グルコース+グルコース

デンプンが分解される際に生じる中間生成物。麦芽中に多く存在する。水飴の主成分である。マルターゼによって分解される。

スクロース(ショ糖) グルコース+フルクトース

砂糖の主成分である。サトウキビ、テンサイに多く含まれている。スクラーゼによって分解される。

ラクトース(乳糖) ガラクトース+グルコース

牛乳や母乳に多く含まれている。β‐ガラクトシダーゼ(ラクターゼ)によって分解される。

多糖類

デンプン

デンプンはグルコースが多数結合した物質である。グルコース250~300個が直鎖上に結合したものをアミロース、グルコース1000個が分枝して結合したものをアミロペクチンと呼ぶ。デンプンはアミロースとアミロペクチンの混合物である。グルコース同士はα結合と呼ばれる結合の仕方をしている。

セルロース

グルコースが直鎖上に結合した物質である。デンプンとは結合の仕方が異なり、β結合と呼ばれる。細胞壁の主成分で非常に長い繊維構造を作る。

グリコーゲン

多数のグルコースがα結合した物質である。枝分かれが多いのが特徴で、動物の肝臓で合成され、肝臓や筋肉で蓄えられている。

α結合とβ結合の違い

グルコースにはα-グルコースβグルコースがある。これは一番右端のOHとHの向きの違いによるものである。

グルコースはα同士、β同士で結合して鎖状に延長していく。α-グルコース同士の結合をα結合、β-グルコース同士の結合をβ結合と呼ぶ。なお、α結合にはいくつか種類があり、1番目の炭素と4番目の炭素の部位が結合するα-1,4結合や、1番目と6番目の炭素がの部位が結合するα-1,6結合などがある。これにより分枝が発生する。β結合もα同様に、β-グルコース同士で結合していく。

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