排出器(排出器官)とは
排出器とは、動物において体内の水分や老廃物をくみ出して体外へ放出する器官のことです。ヒトの場合には腎臓にあたります。
脊椎動物の排出器
脊椎動物の排出器(腎臓)は腎節に由来する器官です。腎臓の形成にも段階があり、まず始めに腎節から現れる器官を前腎、次に現れる器官を中腎、最後の生じる器官を後腎と呼びます。
魚類は前腎、両生類は中腎、爬虫類・鳥類・哺乳類は後腎を持っています。進化の順に従って腎臓の機能も複雑化しています。
前腎・中腎・後腎の違い
ネフロンの数と構造が異なっています。前腎は1つのネフロンからなり、中腎は数十のネフロンからなります。最後に生じる後腎は、数百万ものネフロンを持っています。
無脊椎動物の排出器
以下のような様々な排出器があります。
ゾウリムシ:収縮胞
収縮と拡張を周期的に反復し、老廃物を排出します。
扁形動物・輪形動物:原腎管
末端の細胞が体内の水分や老廃物を集め、管を通じて体外に出す構造となっています。原腎管にはほのお細胞があり、この細胞は排出物を含んでいる水を内腔に送りだしています。
線形動物:側線管
側線中を前後の方向に走る特有の管系で排出します。
環形動物・軟体動物:腎管
体腔に直接管が開いており、複雑に屈曲した細管を経て、体外へと通じます。
昆虫類:マルピーギ管
消化器から伸びる分岐した管から構成され、対外へ老廃物を排出します。黄色の矢印がマルピーギ管です。
甲殻類:触角腺
胃の前方に位置しており、尿管,排出管を経て第2触角基部で体外へと通じます。