メラニン色素の繋がり方によって髪の色が決まる
髪の色はメラニン色素によって色づけられています。メラニン色素がたくさん連結するとユーメラニンと呼ばれる黒色の高分子化合物となります。ユーメラニンを持つ髪は黒色になります。
メラニン色素の連結する数が少ないと、フェオメラニンと呼ばれる物質になります。フェオメラニンは褐色であるため、髪の毛は赤毛となります。
メラニン色素の数が少ないと、金髪、銀髪、白色となります。
どうして髪には色のバリエーションがあるの?
メラニンは紫外線を吸収する物質で、皮膚などでも合成されています。本来、毛が黒いということは、紫外線から頭を守る役割があり理にかなっています。
では、どうして金髪が生まれたのでしょうか。金髪は突然変異によって生まれたものと考えられています。金髪の歴史は浅く、ヨーロッパにおいて金髪の人口が増加しだしたのは、最後の氷期である約1万1000年前から約1万年前のことである可能性が高いとされています。増加の理由の1つとして、性淘汰があります。
性淘汰とは、異性が「ある形質」を持つ個体を優先的にパートナーとして選び、その結果「ある形質」が集団内に広まっていく現象をいいます。例えば、クジャクのオスの羽は、生存率には関係ありませんが(むしろ不利かもしれませんが)、メスが立派な羽を持つオスを選ぶために、非常に派手な羽の遺伝子が残り続けてきました。
氷河期の過酷な環境の中で、男性がマンモスの狩りで多く死亡するという状況が起こったと考えられています。そのような少数しか男性がいない集団において、金髪・青瞳という形質はひと際際立ち、何らかの性的な魅力を持ったと推測されています。