海水で育てると成長ホルモンが分泌されるから
ニジマスは淡水魚ですが、海水で育てると巨大化することが知られています。海面養殖によって育てられたニジマスをトラウトサーモンと呼んでいます。
トラウトサーモンとは商品名であり、種名ではありません。回転ずしなどで安価でサーモンが食べられるのは、ニジマスの巨大化養殖を行っているためです。
ではなぜ海水で育てると巨大化するのでしょうか。仕組みは塩細胞にあります。魚の塩分濃度の調節はエラにある塩細胞によって行われます。淡水魚であるニジマスを海水に入れると、塩細胞のイオンチャネルも活発に活動します。塩細胞の活性化には成長ホルモンが使われます。つまり、塩細胞を活性化しようとするほど、成長ホルモンが分泌され、体も大きくなってしまうのです。
ちなみにマスとサケの違い
名前に「マス」・「サケ」とつく魚はサケ科に属しています。サケ、ベニザケ、ギンザケやカラフトマス、ニジマス、サクラマス、マスノスケなどがいます。
本来、マスは海に降りないサケ属の魚、サケは一旦海に降りてまた戻ってくる魚を指してしました。しかし、命名当時は生態などがよくわかっておらず、海に降りて生活する「サクラマス」にも「マス」と付けるなど、混乱を招く結果となってしまいました。本来ならば「サクラサケ」が正解です。
そのため、現在ではマスとサケの違いは殆どない(意味をなさない)と言って良い状況です。