有毒植物「アコカンテラ・スキムペリ」の毒を利用するネズミ
アフリカにはアコカンテラ・スキムペリと呼ばれる植物が存在します。この植物はケニアでは「国の毒草」として知られており、毒矢や毒やりを作る際に利用されてきました。この植物の毒はゾウをも倒すことができます。
殆どの動物はこの植物を避けて通りますが、タテガミネズミはアコカンテラ・スキムペリの根や幹をかじり、毒が含まれている唾液を自らの体毛に塗り付けます。
タテガミネズミの毛は特殊な形状をしており、穴あきの円筒状でスポンジのように液体を吸収します。毒が雨などで流されないように進化したと考えられています。
なぜタテガミネズミには毒が効かないの?
タテガミネズミがアコカンテラ・スキムペリの根をかじっても平気な理由は現在明らかになっていません。1つの仮説として、唾液に含まれるタンパク質が毒と結合し、無毒化しているのではないかとも考えられています。また、それでも少しは毒が消化器官に入るため、消化器官でも何らかの解毒機能が備わっていると考えられます。