ヒルの研究
ヒルは緑葉をすりつぶした液にシュウ酸鉄(Ⅲ)を加えて光を当てると酸素が発生することを確認した。これをヒル反応という。
緑葉をすりつぶすと、葉緑体が破壊される。そうすると、チラコイド膜での反応(チラコイド膜までは完全に破壊されない)とカルビンベンソン回路の連携が取れなくなる。
チラコイド膜での反応では最終的に電子はNADP+に渡され、NADPHになる。NADPHはカルビンベンソン回路で電子と水素を渡して、NADP+に戻る。緑葉をすりつぶすと、このNADPHがNADP+に戻れなくなる。その結果、電子の受け取り手がいなくなり、チラコイド膜での反応はストップし、酸素は発生しなくなる。
しかし、シュウ酸鉄(Ⅲ)を入れてやると、鉄イオンが電子の受け取り手となり、再びチラコイドでの反応がスタートし、酸素が発生する。この実験から、植物体内における電子受容体はNADP+であることが判明した。
ルーベンの研究
ルーベンはクロレラ(下画像)の培養液に酸素の同位体を含む水と、酸素の同位体を含む二酸化炭素を別々に与えた。光合成を行わせると、酸素の同位体を含む水を与えた方からのみ、酸素の同位体が発生した。
この実験から、光合成で発生する酸素は水由来であることが判明した。
カルビン・ベンソンの研究
炭素の放射線同位体を含む二酸化炭素をクロレラに吸収されて光合成を行わせた。クロレラの細胞内の物質を抽出し、2次元クロマトグラフィーで分離させ、X線フィルムに密着させると黒いスポットが現れる。時間経過に伴って黒いスポットがどのように変化するかを追跡し、カルビンベンソン回路を発見した。
二次元クロマトグラフィーとは?
クロマトグラフィーで物質を分離した後に、別の展開液を用いてさらに別の角度から展開を試みる実験手法である。物質をさらに細かく分離できる。
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